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美容室「IJK 表参道」のクラウドファンディングが2日で700万円超え そこに込めた思いとは

 髪質改善に特化した東京・表参道の美容室「IJK 表参道(IJK OMOTESANDO)」が、キャンプファイヤー(CAMPFIRE)でクラウドファンディングをスタートさせた。1日で目標金額300万円を達成し、2日で700万円を超えるなど、驚異的なスピードで支援を集めている。今回のクラウドファンディングでは、新型コロナウイルスによる影響で売り上げが大きく下がった美容室「IJK表参道」と同社の芝原俊輔代表が経営する「バー エルエム(BAR Lm.)」の支援を目的に、5月31日23時59分59秒まで支援を受け付けている。今回、どういった思いでこのクラウドファンディングを行うことにしたのか――芝原代表に話を聞いた。

WWD:まず、クラウドファンディングをやろうと思ったきっかけを教えてください。

芝原俊輔代表(以下、芝原):今回の新型コロナの影響もあって、「美容室に行きたくても不安。でも何か別の形で支援したい」というお客さまの声が多く、それなら昨年4月に美容室の拡張移転の際に一度やったことのあるクラウドファンディングを活用しようと考えました。

WWD:スタート1日目で目標300万円を達成し、2日で700万円以上とかなりのスピードで支援が集まっています。

芝原:前回のクラウドファンディングを行ったときの合計金額が約250万円だったので、今回は300万円を目標にしたんですが、正直ここまで早く集まるとは思ってもいなかったですし、ここまで多くの支援がいただけたことに驚いています。ありがたいことに応援してくれている人がこんなにいたんだとうれしくなりました。本当に感謝しかなく、必ずこの恩をお返ししたいです。

WWD:どうやって、ここまで支援してくれるファンを獲得してきたんですか?

芝原:普段からスタッフ全員が、いいかげんなことをせずに、目の前のお客さま、SNSのフォロワーに真摯に向き合ってきた結果だと思います。もともと美容室を作るというよりは、ブランドを作るという意識で本当に細かいところにまでこだわって経営してきました。「IJK」というブランド、そこで働くスタッフを応援してもらうにはどうすればいいかは常に考えてきました。今回のクラウドファンディングでこうして注目してもらえて、それにおごらず真摯にやっていくことでファンをさらに増やしていければと思います。

WWD:クラウドファンディングの紹介ページでは、「ここのまま店舗を休業することになると、美容室は1カ月で500万円、バーは1カ月で150万円の赤字」とか、美容室の家賃が160万円とかなり正直に書いていますが、そこには抵抗はなかったんですか?

芝原:スタッフにもお客さまにも何も隠すことはないです。スタッフには僕の毎日のスケジュールはしっかりと伝えていますので、いつもどこで何をしているかも分かっている。家賃が160万円というのも、一般的には高いかもしれませんが、それを知ってあらためて「IJK」というお店に価値を感じてくれるお客さまもいると思います。こうして正直にオープンにした方が、支援してくれる人にも思いが伝わる。僕は10年先を見据えているので、今は会社を存続させることが一番大事だと考えていて、できることは何でもやるつもりです。

WWD:クラウドファンディングのリターンの種類も美容室とバーを合わせて50以上とかなり豊富ですが、これはスタッフと考えたのですか?

芝原:基本的には以前のクラウドファンディングをやったときに人気だったリターンを中心に考えました。お店のオリジナルのシャンプー&トリートメントのセットや未来施術券、カット回数券など、基本は僕が考えたのですが、各スタイリストには一人一つ以上自分のリターンを考えるように伝えました。

WWD:クラウドファンディングをすることにあたってのスタッフの反応はどうでしたか?

芝原:スタッフも僕のことを信頼してくれているので、「一緒にがんばりましょう」という感じでした。

WWD:今回の新型コロナによって今後の美容室の在り方は変わると思いますか?

芝原:しばらくは厳しい状況が続くと思いますので、まずはどうにかして生き残ることを考えるのが一番重要。また美容室の低料金サロンと高単価サロンの2極化がさらに進むと思います。その中で高単価サロンを目指すには、求人が重要になってくるし、こうした状況だと、普段のスタッフとの関わり方が表面化する。いつもスタッフにはいいこと言っていても、こうした状況でスタッフを何人か辞めさせるとか、対応がひどい経営者だとなれば落ち着いたら、みんな離れていくと思います。弊社では今回のことがきっかけでスタッフの絆が深まりました。これからも絶対にスタッフやお客さまを守っていくつもりです。

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