イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)の伝記を執筆したことで知られるジャーナリストのローレンス・ベナイム(Laurence Benaim)がファッション界での人脈を生かして寄付の品々を集め、わずか1週間ほどでチャリティーオークションの開催にこぎ着けた。オークションの利益は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で困難な状況に陥っているフランスの老人ホームの職員を支援するために使われる。
オークションに出品されるのは、「セリーヌ(CELINE)」のエディ・スリマン(Hedi Slimane)=アーティスティック、クリエイティブ&イメージディレクターがデザインしたチェアや、ジョルジオ・アルマーニ(Giorgio Armani)やアルベール・エルバス(Alber Elbaz)のオリジナルスケッチ、女優のマリサ・ベレンスン(Marisa Berenson)のサイン入りポートレートなど華があるものばかりだ。
またオークションに出されるのは物だけではなく、パリにあるイヴ・サンローラン・パリ美術館(Musee Yves Saint Laurent)、ケリング(KERING)の本社やベルサイユ宮殿(Chateau de Versailles)、パルファン・クリスチャン・ディオール(PARFUMS CHRISTIAN DIOR)が所有し普段は一般公開されていないラ コル ノワール邸(Chateau de la Colle Noire)へのプライベートツアーなどもある。
このほか、数々の賞を受賞した作家でジャーナリストのレイラ・スリマニ(Leila Slimani)による思い出をテーマにした執筆教室、有名パティシエのピエール・エルメ(Pierre Herme)によるマカロン作りクラス、ファッションアイコンのベティ・カトルー(Betty Catroux)とイヴ・サンローランとの写真(カトルーのサイン入り)なども出品されるという。
オークションの利益は要介護高齢者向け老人ホームを支援するフランスのNPOに寄付される。老人ホームでは高齢の感染者が多数出ており、そこで懸命に働く職員を支援するために寄付金の全額が使われる予定だ。具体的には、職員の医療用防護具や食事に加えて、職員が働いている間の子どもの保育サービスや老人ホーム近くのホテルに宿泊するための費用、そのほかタクシー代などに充てられるという。
オークションは4月24〜27日にオンラインで行われる。売り手、買い手ともに手数料はなく、落札品は後日届けられるという。出品カタログはタジャン(TAJAN)、インバリュアブル(INVALUABLE)、オークションFR(AUCTION.FR)やドルオ・デジタル(DROUOT DIGITAL)などオークションハウスのウェブサイトで4月24日から閲覧できる。