理美容室専売品メーカーのミルボンは、新型コロナウイルスの影響により休業や時短営業を行っているサロンの顧客に向けて、「オージュア」「ミルボン」のリピート購入に限って、自宅への配送を開始した。
同社の公式ホームページの問い合わせフォームから注文が可能で、普段の購入店舗名の申告が必要だ。注文から1週間を目安に同社の物流倉庫から商品を直送する。広報担当者によると、開始初日から百件ほどの申し込みがあったという。5月31日までの緊急措置とし、これらの商品は6月からECサイトで販売する予定だ。
「オージュア」や「ミルボン」は契約商品で、不正流通対策に力を入れていることもあり、限られた美容室でしか購入できない商品だ。リピート購入客も多いため、美容室が休業している間の顧客離れを防ぐことに加えて、利益を還元することで休業中のサロンをサポートする。
同社では昨年秋から、コーセーと業務提携して開発したスキンケアブランド「インプレア」を皮切りにEC事業に着手している。6月からは「オージュア」「ミルボン」「ヴィラロドラ」のEC販売を開始する予定だ。美容室の来店タイミングとは関係なく、顧客の欲しいタイミングで購入が可能になるが、購入履歴は美容室が全て管理して的確なアフターフォローを行う。不正流通を防ぐために、購入には取り扱い店舗が発行するアカウントが必要だ。
エディターズ・チェック
新型コロナウイルスの影響で休業中の美容室の中には、リピート購入客のもとにシャンプーやトリートメントを発送しているところもあるようだ。普段から店販品を購入してくれている顧客を逃がさないためにも、またこの時期にほかの一般商品に顧客が流れてしまわないためにも、メーカー発信のこういった取り組みは重要だ。美容室は対面接客が欠かせず、在宅勤務も難しいため、今回のような休業時には窮地に追い込まれてしまう。そんなときに少しでも利益が出るようにするために、サロン独自でもECの整備を視野に入れるとよいのではないだろうか。ECの導入が遅いヘアサロン業界だが、今回の新型コロナウイルスの非常事態によりこの流れは加速するだろう。