繊維加工大手の小松マテーレは植物由来の染料を用いて、吸水拡散性と水分コントロール機能、抗菌防臭効果のある染色技術「ベジベジ」を開発した。植物の廃棄物を用いたナチュラルな色合いと紫外線量を抑制した染色技術「オニベジ」を進化させたもの。ファッション、カジュアル、ユニホーム、スポーツなどの衣料用途に加え、寝装寝具への展開も予定しており、販売目標は初年度で1億円、3年後に5億円を計画する。
「ベジベジ」は優れた吸水拡散性を持ち、通常のポリエステル染色品に比べて汗を吸いやすく、水分の拡散面積が2倍以上になる。広い範囲に水分が広がることで気化冷却効果も上がる。水滴を落とした実験(室温20℃、相対湿度40%、水0.4mL滴下)では、30秒後には約2度℃表面温度が下がったという。また、生地の水蒸気透過性が通常のポリエステルに比べ5%以上低く、外側に逃げる水分を減少させるため衣服内の湿度低下を抑えることができ、しっとりとした着心地を実現する。加えて、天然由来成分のキトサンにより抗菌防臭効果を発揮する。