フェムテックの先駆けである女性向けの健康情報サービス「ルナルナ」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける中での、育児中、妊娠中、妊娠を希望する女性の、悩みと不安について調査を実施した。アンケートには4月10~12日の期間に、「ルナルナ」「ルナルナ ベビー」のアプリ上で10~50代以上の1万129人の女性が回答。その結果から、働く女性は「職場でのサポートはなかった」と明かし、妊婦の約7割は現在のサポートを“不十分”と感じていると回答。また、休園・休校中の子どもを持つ多くの保護者たちが「子どもの精神的なストレス」に悩んでいるということが浮かび上がってきた。
そこで「ルナルナ」は4月14日、新型コロナウイルス対策に関する情報をまとめた特設ページを開設した。厚生労働省や公益社団法人日本小児科学会などによるQ&Aを紹介し、予防策や専門家会議の見解、支援などを案内している。
アンケート結果の要点を紹介する。
妊娠中の悩み
“支援は不十分” 優先的な消毒液やマスクの支給を
また、7割の妊婦が現状のサポートについて「不十分」と回答。特に必要だと感じているサポートは、優先的な消毒液やマスクの支給。そのほかにも優先的な感染予防策、休業やテレワークへの移行などを希望する声が上がり、職場も妊婦に対する対応が追いついていない状況が分かった。
育児中の悩み
“子どもの精神的ストレス”や“運動不足”を心配する声
3月上旬から学校や幼稚園、保育園の多くが休業となっており、子育て中の女性たちの悩みも調査。アンケートの回答者は「就業状況にないため、普段と特に変わらない」(43%)が多かったが、就業中の人からは「親の仕事中は子どもだけで留守番をしている」「仕事を休んで自身が子どもをみている」という声もあった。
その中でも悩みを抱えているのが、子どもの精神的ストレスや運動不足についてだ。ほかにも「食費などの増加による経済的負担」「外出する家族からの感染」「子どもの勉強の遅れ」なども上位となった。
妊活中の悩み
“予防薬や治療薬が開発されるまで
不妊治療の延期の推奨する”声明も
日本生殖医学会は4月1日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて「妊娠中に使える予防薬や治療薬が開発されるまで、不妊治療の延期を選択肢として患者に提示することを推奨する」という声明を医師に向けて出した。この声明について知っているか、妊活や不妊治療中の女性たちに尋ねると「知っている」(47%)、「知らなかった」(52%)となり、妊娠を希望する女性の4割以上が認識しているという結果になった。
「この声明を受けて、今後の妊活、不妊治療についてどのような判断をしたか」という問いについては、「妊活・治療を継続する」(48%)が最も多い回答になり、判断した背景は「自身で考えて結論を出した」(68%)、「パートナーと相談した」(54%)となった。妊活は時間に限りがあり、経済的な負担も大きいことから、妊活や治療の方針については医師からの指示よりも当人たちの気持ちを尊重した決断をしていることが分かった。