エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES以下、ELC)は、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスの影響を受けて、最高経営責任者(CEO)や名誉会長などの給与を5月1日から10月31日まで削減することを発表した。ウィリアム・P・ローダー(William P. Lauder)=ELCエグゼクティブ・チェアマンと、ファブリツィオ・フリーダ(Fabrizio Freda)=同社社長兼最高経営責任者は、基本給を50%削減する。対象となる6カ月間の給与は、ローダーは75万ドル(約8100万円)、フレダは100万ドル(約1億800万円)となる。そのほか、 ELCのエグゼクティブリーダーシップチームは30%、副社長は20%、取締役は10%の給与を削減した。
フリーダは「新型コロナウイルスが世界的に流行しているため、何よりもまず従業員の健康と生活を守ることに注力している。世界が健康危機に瀕している今、一企業として貢献する方法を模索している。われわれはこれまで多くの障害を克服して成功を収めてきたが、現在の健康危機は、これまでに直面してきた問題とは規模も影響も大きく異なる。本社の従業員は自宅で仕事を続け、店舗は閉鎖されたままであり、2つの製造拠点が一時的に製品の生産を停止した」と語る。
小売業務や店舗が休業しているエリア、復旧の見込みが遅い場所に勤務している店舗スタッフには、医療給付金や新型コロナウイルス対策のサポートにいち早く対応するための無給の一時的休暇など、地域ごとの施策が行われている。
新型コロナが人や企業に影響を与え続けている状況から、数社のビューティ企業は従業員に対して、給与削減やキャッシュフローを強化するための手段を探ってきた。ELCを含む多くの企業も医療従事者向けの消毒剤の製造など、慈善活動への取り組みを強化している。ELCはこれまで、NYC COVID-19 レスポンス&インパクト基金への献金や、国境なき医師団への200万ドル(約2億1600万円)の寄付、および中国の医療機関への寄付を行っているほか、クリニーク(CLINIQUE)やM・A・Cも同様の趣旨で募金を行なっている。