米「WWD」の人気企画「ファッション通信簿」では、ストリートからパーティー、レッドカーペットまで、海外セレブたちのファッションを厳しくチェック。A+、A、A-、B+、B、B-、C+、C、C-、D+、D、D-、そしてFAIL(失格)の13段階評価で格付けし、それぞれのファッションポイントを勝手に辛口ジャッジ!
第52回は、レニー・クラヴィッツ(Lenny Kravitz)、リサ・ボネット(Lisa Bonet)、ジャック・ニコルソン(Jack Nicholson)、マドンナ(Madonna)、シルヴェスター・スタローン(Sylvester Stallone)、ロブ・ロウ(Rob Lowe)、ブルック・シールズ(Brooke Shields)、ダイアナ・ロス(Diana Ross)、プリンス(Prince)が登場。80年代といえばパワーに満ちた、時にやりすぎとも言えるグラマラスなファッションが思い浮かぶかもしれない。新型コロナウイルスで世界中は混乱のさなかにあるが、そんなときこそセレブファッションの決定的瞬間を振り返りながら気を紛らすのもいいかもしれない。

Lenny Kravitz / Lisa Bonet
80年代の代表的カップルだが、ペアルックに関しては時代を先取りしていた。この時代特有の角張ったデザインのスーツを着たクラヴィッツと、ボーホーで脱構築な間違いのないスタイルに身を包んだボネットを見ればわかるだろう。ハットで完成させたコーディネートをたびたび披露していて、それが2人の代表的なスタイルだといわれていた。道理で娘のゾーイ・クラヴィッツ(Zoe Kravitz)とも相通じるものがあるわけだ。

Jack Nicholson
ニコルソンの50年代風のファッションはそんなに評判がよくなかったが、80年代の最もチャーミングなワルのひとりでもある。「レイバン(RAY-BAN)」のメタリックの“ウェイファーラー(Wayfarer)”に、トラックジャケットと折り目の入ったパンツを合わせるのがニコルソンのお決まりのスタイルだった。全てがアメリカンスタイルの体現者という感じの装いだったが、ニコルソンのサングラス好きは有名だった。

Madonna
マドンナのおかげで1984年9月14日以降の世界が変わった。彼女の伝説的な名曲「マテリアル・ガール(Material Girl)」とともに80年代の女性たちは自信に満ち溢れた。見事に調和しているランジェリーとウエディングドレス、“BOY TOY”のベルトからは、純真無垢でありながらも挑発や究極の決定権を持っているというクリアなメッセージが感じられる。これを嫌う人なんていないだろう。

Sylvester Stallone
毎日こんな服を着たらどう?とても素敵じゃない!ぴったりフィットした白のスーツにシルクのシャツとパテントブーツを合わせるなんて――悪趣味もここまで極めればセクシーで完璧だ。

Rob Lowe
特徴的なヘアスタイルと襟を立てたシャツにフィットしたジーンズ、そして「ナイキ(NIKE)」の“コルテッツ(CORTEZ)”を履いたスタイルは、80年代のティーンが大騒ぎするほどの究極的な憧れの象徴だった。ロウ以上にこのスタイルが似合う人を見たことがない。

Brooke Shields
伝説的な「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」の広告キャンペーンに出演してジーンズの代名詞となったシールズは、女優がファッションアイコンに転ずる典型となった。しかし、ブラックとフューシャピンクのシルクのドレスを着こなしているように、シールズはすぐさま80年代の洗練されたイブニングドレス界の女王へと上り詰めた。

Diana Ross
80年代におけるもうひとつの決定的瞬間といえば、米ニューヨークで行われたダイアナ・ロスのセントラルパーク公演だろう。雷雨の中で、目がくらむような赤いジャンプスーツに流れるようなマントを身に着けてロックンロールを踊れる人なんてロスぐらいしかいない。

Prince
プリンスは紫好きで有名だったが、明るい色ならなんでも似合っていた。イエローのパワースーツは映画「ディック・トレイシー(Dick Tracy)」をほうふつとさせるけれど、大胆不敵なプリンスの精神にとてもよくマッチしている。さらには、2020年春夏のランウエイっぽさもある。つまりは時を超えたスタイルということ。とても素敵だ。