三越伊勢丹ホールディングス(HD)は27日、2020年3月期決算の連結業績予想を下方修正し、純損益が110億円の赤字に転落すると発表した。最終赤字は2期ぶり。修正前の予想は70億円の黒字だった。
同社は暖冬による販売不振などを理由に、1月31日にも業績予想を下方修正。2月以降、新型コロナの影響に伴う営業時間短縮や店舗閉鎖が打撃となり、業績予想を再度下方修正する。
1月31日発表の前回予想に対し、修正後の業績予想は売上高が3.1%減の1兆1190億円、営業利益が22.5%減の155億円。さらに新型コロナにより「今後の事業環境が見通せない」として、減損損失104億円を計上する。
同社は新型コロナ感染拡大への措置として、3月2日から首都圏6店の平日短縮営業を開始。その後、政府による7都府県における緊急事態宣言の発効(4月8日)、全国拡大(4月16日)とともに当該地域の店舗を当面の間休業している。
4月27日時点で、三越伊勢丹の首都圏店舗は全店休館中。名古屋三越、仙台三越などグループ子会社が運営する国内の百貨店も、食品フロアを除いて軒並み店を閉めている。
4月の既存店売上高は前年同月に比べて約8割減の見通し。前期末までにコマーシャルペーパー(CP)300億円を追加発行するなど、手元資金の増強を図っている。