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花王の1~3月期決算は化粧品事業苦戦も衛生関連が好調 増益を確保

 花王の2020年1~3月期連結決算(国際会計基準)は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で化粧品事業などが減速した一方で、日本とアジアで衛生関連製品が伸長し、売上高が前年同期比2.6%減(実質0.6%増)の3377億円、営業利益が同2.8%増の392億円、純利益が同0.9%増の266億円だった。

 事業部別では、コンシューマープロダクツ事業(化粧品事業、スキンケア・ヘアケア事業、ビューマンヘルスケア事業、ファブリック&ホームケア事業を総称)の売上高が同2.3%減(同1.3%増)の2769億円だった。化粧品事業は、免税売り上げの減少や外出制限によるメイクアップ製品の売り上げ減、店頭でのカウンセリング活動の制限、欧⽶での店舗閉鎖などの影響を受け、売上高が同12.1%減(同11.4%減)の592億円、営業利益が同98.3%減の1億円と減収減益。

 スキンケア・ヘアケア事業は売上高が同8.1%減(同3.1%増)の741億円、営業利益が同5.6%増の113億円だった。衛⽣意識の⾼まりを受け、「ビオレ(BIORE)」のハンドソープや⼿指の消毒液の売り上げが伸⻑。一方で、外出制限の影響を受けてUVケア製品などのシーズン品の売り上が振るわなかった。

 そのほかファブリック&ホームケア事業でも、衛生面の配慮から⽇本で漂⽩剤やキッチン回り洗浄剤、⾷器⽤洗剤の売り上げが好調。アジアでも、衛⽣関連製品の売り上げが寄与し、売上高が同10%増(同10.2%増)の818億円、営業利益が同39%増の153億円だった。

 なお、第2四半期(1~6月)は感染症拡⼤の収束時期や各国の状況を予測することは困難で事業環境の悪化が続いているため、売り上げ・利益ともに厳しい状況になる⾒込みだ。さらに下半期は、⽇本で前年9⽉に消費税率引き上げによる駆け込み需要があったことからハードルが⾼く、事業環境は予断を許さない状況が続く。現時点では連結業績予想を据え置くが、第2四半期終了時に状況を⾒て検討するとしている。

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