こんにちは。「WWDジャパン」編集長の向です。リモートワークを始めて約1か月。自宅で仕事だなんてラクそう、と思ったのは初日の午前中だけ。慣れないオンライン取材や会議で椅子に座りっぱなしなのに脳内は漫画みたいにバタバタし、一生忘れない桜の季節になりました。多くの働く人が今きっと同じですよね。ある意味、気づきに溢れたこの1か月を振り返ります。外出していないため、写真はどうしたって地味になるのですが!
3月第3週
ほぼ人がいないオフィスで
ARのカウズで遊ぶ
弊社はこの前の週から在宅勤務が始まりましたが、私自身はこの頃はまだ時々出社していました。本来なら翌週からは東コレ。中止が決まった今、自分たちにも何かできないかとマスク姿で打ち合わせのために渋谷に出かけて静まり返る神南エリアに驚いたり、編集部がある六本木のビームスのウインドーに飾られた春色の服に励まされたり。そんな中、拡張現実(AR)で楽しむ小っちゃいカウズ(KAWS)にハマって、人がいない編集部で歩き回わりました。はたから見たらシュールな光景だったはず。アートは現物を所有するもの、という観念が崩れました。
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3月第4週
満開の桜をバックにした表紙撮影
厚労省から「3つの“密”を避けて外出を」というメッセージが出たのは3月23日のこと。4月6日号の特集「新入社員AtoZ」の制作チームは表紙撮影をスタジオではなく、早朝の屋外で短時間で行いました。結果「イッセイミヤケ(ISSEY MIYAKE)」を着て全力疾走する吉倉あおいさんの背後には満開の桜が!表紙を桜が飾るのは「WWDジャパン」史上初かも(笑)。理想は毎週「史上初」な絵作りです。
特集を担当した24歳の美濃島記者が、「取材で会ったアパレル業界の同世代がみんなアツくて刺激をもらった」と話すのを聞いてさらに春を実感。でも今年の新入社員の多くは、自宅勤務が続いていますよね……。自分がジーンズメーカーの新入社員の時は、最初の数カ月はひたすら縫製・洗い工場でのお手伝いと物流での出荷・返品業務でした。体を動かす研修から得られるものは多かった。そういったことができずに家で学びを続けている今年の新入社員の皆さんは、さぞかしじれったいかと思います。
でもこの経験はこれからの仕事に必ず役に立ちます! なぜなら多くの人が同じ環境に強制的に置かれている今、皆さんは消費者の気持ちが痛いほどわかる仕事人としてそのキャリアをスタートさせているから。リモートワーク・ネイティブの実感は今後必ず活きてきます。
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4月第1週
特集「コロナに負けるな」に向けて
動き出す
4月20日号の特集を急きょ「コロナに負けるな 知恵を集めよう」に変更することを4月6日に決定。この危機を乗り越えるヒントなんて見つかるのか?と手探りで始めて校了までは10日という短期間。編集部一丸、といっても何もかもリモートで怒濤の取材開始です。
特に大変だったのは小売りチームで、4月7日に緊急事態宣言が出たことで、営業・臨時休業に関する情報が飛び交い、特集の内容も二転三転。新型コロナの感染の広がりと政府や企業の対応をウオッチしながらの制作は困難でしたが、週刊紙ならではとも言えます。
同時に世界中の人が自宅にいるため、海外在住の人からもオンラインでサクッと話を聞かせてもらえる、なんて利点も。自宅の椅子にずっと座っているのに、国内外の大勢の人と常時つながっている、不思議な感覚です。取材はたくさんしましたがとにかく写真がない!というか、全部オンラインのキャプチャーになっちゃう。
校了したのは17日。取材させていただいた方の多くは不安を抱えつつも、どこか清々としていたのが印象的でした。ルーティーンが突如断ち切られたことで「心のどこかで違うと思っていたことはやっぱり違ったと気づいた」。そんな感じでしょうか。断捨離の嵐の後は、テクノロジーの助けを借りながらよりシンプルで、そして人肌感ある豊かさへ向かいたい。そう思います。
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4月第2週
初のユーチューブライブ配信が
楽しかった!
17日には弊社初・人生初のユーチューブライブ配信をしました。予定していたトレンド&ビジネスセミナーを延期したため、同セミナー担当の販売部部長が急きょ企画。台本は手作りです。弊社スタッフとゲストの方が画面に次々と登場し、ファッションとビューティのトレンドや今思うことをざっくばらんに話しました。
ぶっつけ本番だから最初はカメラのどこを見たらよいかも分からなかったですが、慣れてくると楽しい!配信中に入ってくるコメントにアドレナリンを出しつつあっという間に3時間が過ぎました。「料理や仕事をしながら3時間、ラジオ感覚で聴いていました」というコメントをもらい目からうろこ。やってみて分かることってたくさんありますね!すっかり楽しくなったので弊社はこれからユーチューブでガンガン盛り上がる所存です。
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4月第3週
自宅の外壁工事に苦悶しつつ
「ユニクロ」特集完成
在宅で週刊紙を毎週作るのは無理!かと思いきや結構できちゃう、ということがわかってきたこの頃。自宅を快適な仕事空間にするために工夫を始めました。が!突如(ではなく私が忘れていただけだけど)、自宅マンションの外壁工事が始まりました。
唯一の屋外であるベランダの前に足場が組まれてビニールで覆われ、一日中「キュイ〜ン」と鳴り響く地獄(仕方ないけど)の在宅勤務。オンライン会議のマイクも工事の音を拾ってしまうため、基本ミュートで自分が話すときだけマイクをオン。なかなかの苦行だけど、漫画みたいでなんだか笑えます。
そんな中、27日号「ユニクロ」特集を校了。元同僚でジャーナリストの松下久美氏と編集部の五十君記者の力作です。表紙に登場していただいた方の中には、元「ポパイ」編集長である木下さん(現グローバルクリエイティブラボ東京・クリエイティブディレクター)の姿も。
実は今書いているこの編集長日記、しばらくサボっていたのですが「編集長日記を楽しみにしています」という木下さんからの伝言を真に受けて再開しました。木下さん、最後まで読んでくれていますか〜?
この日記をアップする5月7日はゴールデンウィーク明けながら、引き続き自宅で過ごすなど多くの方が制約ある生活を続けているかと思います。どうぞ、お体を大切に。思いやりとユーモアと諦めない心を忘れずに頑張りましょう!
リモートワーク中は「WWDジャパン」は電子版で確認。最新号はこんな感じにインタビューが充実しています!
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