「無印良品」(良品計画)は5月1日から、アマゾン(AMAZON)での販売を開始した。これまでは実店舗と自社ECでの販売を主としてきたが、コロナショックにより国内437店中293店が休業中という事態を受け、アマゾンへの出店で客の利便性を高める。まずは「暮らしの必需品」と位置付ける化粧水や歯ブラシなどの日用品や、“巣ごもり”でニーズが高まっている収納用品、掃除用品などを軸に約250商品でスタートし、今後は衣料品を含め、品ぞろえを拡大していく。
ECの巨人アマゾンへの出店で、「『無印良品』にこれまで親しみのなかったお客さまも取り込んでいく」(広報担当者)ことが狙い。コロナショックで店舗が休業している期間に限った措置ではなく、休業明けも継続していく考え。「組み立て作業が必要な大型家具などを除いて、取り扱いアイテムは今後拡大していく」。
商品やブランドイメージのコントロールが利かなくなることや、模造品問題、アマゾンがオリジナルとして類似商品を発売することなどを恐れ、ファッション業界では近年、「ナイキ(NIKE)」をはじめアマゾンから撤退する動きが広がっていた。店舗休業が長引いて背に腹はかえられぬ状況となる中で、そういった流れが変わっていくこともありえそうだ。