作業服のワークマンの4月の既存店売上高は、前年同月比5.7%増だった。新型コロナウイルスによる緊急事態宣言で、多くの小売店が休業を余儀なくされる中、同社もショッピングセンター内の店舗は休業しているが、ロードサイドの店舗は時短営業や臨時休業を実施しながらも営業を継続している。外出自粛でレジャー向けのカジュアルウエアの販売は鈍化したものの、手袋や不織布製品などが活発に動いた。
同社は建設や土木などで働く人たちの社会インフラとして、主力である郊外のロードサイド店舗は営業を続ける。それでも店舗スタッフの安全を考慮して休業日や時短営業を実施したため、コロナ以前の20〜30%の伸び率に比べると売り上げは鈍化した。大手ゼネコンが工事を中断する事例が増えたことも影響し、比較的単価の高い春物作業服は低調に終わった。客数は8.1%増、客単価は2.2%減だった。
一方で新型コロナの感染抑止に向けた商品がよく売れた。ゴム製やビニール製の手袋の売れ行きが伸びた。ふだん精密機械工場のクリーンルームで働く人や、塗装業の従事者が使う不織布のつなぎを求める客も多かった。