サマンサタバサジャパンリミテッド(以下サマンサタバサ)の創業者の寺田和正氏は、新会社サマンサグローバルブランディングアンドリサーチインスティチュート(以下、サマンサグローバル)を設立し、サマンサタバサから海外事業とスイーツ事業を譲受する協議を開始したことを明らかにした。
新会社サマンサグローバルは寺田氏個人が全額出資で3月に設立した。サマンサブランドを「日本発世界ブランド」として成長させていく考えだ。サマンサタバサの海外事業は現在、アメリカ、中国、韓国、シンガポール、香港、台湾の6の国と地域で運営する37店舗。2025年には海外を200店舗体制にし、売上高は200億円を目指す。新型コロナウイルス収束後には中国を強化し、将来的にはフランス・パリへの出店なども視野に入れているという。
寺田氏はオーナー社長の指示待ちになりがちな組織風土に危機感を覚え、「“寺田一強体制”を崩したい」という考えから、19年4月にサマンサタバサの社長を退き、取締役からも外れた。だが、ファウンダーとして同社に残り、現在も商品企画やプロモーションなどのクリエイティブ面や海外展開を手掛けてきた。
寺田氏にとって海外事業の拡大は長年の目標だった。「この1年間、ずっと描いてきた『日本発世界ブランド』という夢を本気で実現したいと考えてきた。サマンサは海外でもポテンシャルが高い。これまでも海外からの出店オファーもあったが、積極的な投資ができず抑えてきた。今後はサマンサの国内事業をコナカに盤石にし、僕はグローバル展開にお金とエネルギーを割いていく。またサマンサタバサと契約して引き続きPR、クリエイティブ、開発などにも携わっていく予定だ」と語る。