ワールドの2020年3月期連結決算(国際会計基準)は、本業のもうけを示すコア営業利益が前期比19.9%減の130億円で、5期ぶりの減益となった。主力のブランド事業において下期(10~3月)の消費増税と暖冬、新型コロナによる販売不振が響いた。売上高に相当する売上収益は同5.4%減の2362億円、純利益は同12.6%減の80億円だった。
ブランド事業は売上収益が同4.6%減の2145億円、コア営業利益が同21.3%減の73億円だった。百貨店で展開する「インディヴィ(INDIVI)」などミドルアッパーブランドは付加価値の高い商品開発、SC向けの「オペーク ドット クリップ(OPAQUE.CLIP)」などミドルロワーブランドは在庫コントロールと値引き抑制に注力した。上期(4~9月)に限れば2ケタの営業増益だった。
デジタル事業は売上収益が同1.0%増の103億円、コア営業損益が4億4600万円の赤字(前期は8億8500万円の黒字)だった。シェアリングやカスタマイズ関連のM&Aなど先行投資がかさんだ。期中には、オーダーシャツ専門ECを運営する米オリジナル社(19年4月)、高級バッグサブスクのラクサス・テクノロジー(11月)を傘下に収め、ゴードン・ブラザーズとの合弁事業でオフプライスストア業態「アンドブリッジ(& BRIDGE)」の1号店を9月に大宮、2号店を3月に相模原に出した。
プラットフォーム事業は、ライフスタイルストアの「フラクサス(FLAXUS)」の終了(1月)などにより同24.0%の減収(111億円)だったものの、プラットフォーム外販の拡大などが寄与しコア営業利益が23.2%増の20億円だった。
新型コロナの影響により、同社は4月30日時点で全店舗の9割にあたる2227店舗を休業している。その影響が長引くとみて、21年3月期の連結業績は、売上収益が前期比15.8%減の1990億円、コア営業損益が52億円の赤字、純損益が60億円の赤字を予想する。