世界最大の時計見本市「バーゼル・ワールド(BASEL WORLD)」の運営会社であるMCHグループは、2021年1月28日〜2月2日の日程で開催予定だった「バーゼル・ワールド2021」の中止を発表した。「バーゼル・ワールド2021」は、4月30日~5月5日の開催予定だったが新型コロナウイルス感染拡大の影響で“延期”された「バーゼル・ワールド2020」の代替イベントだった。
同見本市をめぐっては4月14日、「ロレックス(ROLEX)」「パテック フィリップ(PATEK PHILIPPE)」「シャネル(CHANEL)」「ショパール(CHOPARD)」「チューダー(TUDOR)」の5ブランドが脱退を表明。これを受けて、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)傘下の「タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」「ウブロ(HUBLOT)」「ゼニス(ZENITH)」も「バーゼル・ワールド2021」への不参加を発表。同じくLVMH傘下の「ブルガリ(BVLGARI)」は、すでに2月に同見本市からの離脱を宣言していた。
「バーゼル・ワールド」は1917年に産業見本市としてスタート。スイスの基幹産業である時計を代表する「ロレックス」など主要ブランドの脱退により実質的に破綻していたが、運営会社であるMCHグループが正式に中止を発表したことで明確にピリオドが打たれた。
「バーゼル・ワールド」の今後については、ミシェル・ロリス・メリコフ(Michel Loris Melikoff)=マネジングディレクターが「夏までに新たな枠組みとスケジュールについて情報を提供したい」と述べ、ベルント・スタッドルウィーザー(Bernd Stadlwieser)=MCHグループ最高経営責任者が「われわれは、これを機に『バーゼル・ワールド』の未来に完全にフォーカスできる」と話すが、主要ブランドなき「バーゼル・ワールド」に誰が注目するのかは、はなはだ疑問だ。