ユナイテッドアローズ(UA)の2020年3月期連結決算は、売上高が前期比0.9%減の1574億円、本業のもうけを示す営業利益が同20.8%減の87億円、経常利益が同22.2%減の88億円、純利益が同45.1%減の35億円だった。10〜12月期の暖冬に伴う秋冬物商品の値引き増に加え、1〜3月期の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う店舗の臨時休業や販売不振が響き、創業以来初の通期での減収となった。2月に発表した修正計画値から見積もると、新型コロナによるマイナスは売上高で38億円分、営業利益で21億円分に及ぶとみられる。
チャネル別の既存店売上高は、小売り(実店舗)が前期比7.6%減となるもECが同16.8%増と2ケタ増で推移した。客数も小売りが同9.4%減と下回るもECが同18.4%増と高い伸びとなった。売上高構成でECは2.6ポイント増の22.6%に上昇した。
今期(21年3月期)の予想は新型コロナの見通しが立たないとして見送った。竹田光広社長執行役員はECの一段の強化に取り組むという。「一部の販売員やPRによるライブコマースで、ECへの送客を試している。今後は、動向を見ながら全社で進めていきたい。お客さまからの自社ECへの期待度が高いことから、特に自社ECへの送客を強化する」。またMDについて、「これまでは働く女性のオフィススタイルに注力してきたが、リモートワークが増え、通勤しないライフスタイルに変化してきたことから、よりシーズンレスの定番品を拡大する。感染防止に役立つ商品開発も必要だ」と説明した。