地方都市などの一部商業施設で、営業再開の動きが広がっている。5月14日を目途に、13の特定警戒都道府県を除いて緊急事態宣言が解除されると言われており、経済活動再開に向けた出口戦略の描き方に焦点が移っている。全国のショッピングセンター(以下、SC)やそのテナント企業ら962の団体、個人が加盟する業界団体、日本ショッピングセンター協会(以下、SC協)では現在、国からの要請のもと、14日に向けてガイドラインの策定を進めている。
営業再開時の感染拡大防止策などについてのガイドラインになる。SCやその中の多くのテナントは休業要請対象業種には指定されていないが、「世の中に自粛ムードが広がり、各社先走って休業を決めた部分もある。どういった基準で営業を再開するかの判断はテナント企業によってさまざまで一概には言えない部分もあるが、(経済活動を回していくために)改めて営業再開する施設、休業を続ける施設というのをしっかり考えないといけない」(SC協事務局)。イオンモールは、全施設の3割に当たる19県42施設で、13日に営業再開すると発表している。
こうした動きに先立って、SC協では4月27日、5月1日の2段階で、家賃支援に関して政府や与党に対して要請も行ってきた。5月1日の要請では、梶山弘志経済産業大臣、赤羽一嘉国土交通大臣、自民党の石原伸晃・住宅土地・都市政策調査会会長、同じく根本匠・中小企業・小規模事業者政策調査会会長宛てに、「テナント家賃支援策に対する要望(家賃を減免した賃貸人に対する助成措置のお願い)」を日本小売業協会などとの連名で提出していた。4月20日に閣議決定された中小事業者への固定資産税の減免措置を、中小事業者に限らず大型SCなども含め対象を広げることを求めるもの。
5月8日には自民・公明両党が政府に家賃補助策の与党案を提出した。報道によると、与党案はテナント支援を打ち出した自民党案と、不動産オーナー(SC含む)などへの支援を独自に行っている地方自治体を、国が財政支援するという公明党案のハイブリッドとなっている。