ビジネス

ヴァレンティノ新CEOはグッチから 「ファッションにおける初恋を象徴する」メゾンへの3度目の復帰

 ヴァレンティノ(VALENTINO)の新たな最高経営責任者(CEO)に、6月1日付でヤコポ・ヴェントゥリーニ(Jacopo Venturini)=グッチ(GUCCI)前マーチャンダイジング&グローバルマーケット担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントが就任する。2006年から15年にわたりメゾンを率いてきたステファノ・サッシ(Stefano Sassi)CEOの後任だ。

 イタリア出身のヴェントゥリーニ新CEOは、1995年に百貨店リナシェンテ(RINASCENTE)のバイヤーとしてキャリアをスタート。99年まで経験を積んだ後、2000年から04年までヴァレンティノでウィメンズウエアとメンズウエアのブランドマネジャーを務める。その後、05年にプラダ(PRADA)に入社。ウィメンズウエア・コレクションのマーチャンダイジング・コーディネーターを務めた後、08年にヴァレンティノに戻り、レディ・トゥ・ウエア・コレクション・ディレクター兼リテール・イメージ・ディレクターに就任。15年にグッチに移り、マルコ・ビッザーリ(Marco Bizzarri)社長兼CEOとアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)=クリエイティブ・ディレクターによる新体制を支えたたが、19年10月に退任。その後、ヴァレンティノのCEO就任がウワサされていた。

 ヴェントゥリーニ新CEOは、「ファッションにおける私の初恋を象徴するヴァレンティノへの3度目の復帰をとてもうれしく思う。ヴァレンティノは私にとって伝統と未来であり、ピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)(=クリエイティブ・ディレクター)とタッグを組んで働くことを楽しみにしている」とコメント。一方、同メゾンを去るサッシCEOは「15年間にわたってヴァレンティノで働いたことは、個人的にも仕事としても信じられないような経験だった。取締役会と株主との全面的な合意の下、私が下したこの決断はブランドの野心的な成長を目指したもの。緊急事態が一度収まった後のヴァレンティノの将来については楽観視している。仲間の健闘を祈る」と話す。

 同メゾンでは、今年に入ってから経営陣の入れ替わりが続いている。1月にはセバスチャン・スール(Sebastian Suhl)=グローバルマーケット担当マネジングディレクターが退任。3月にはプラダやグッチ出身のアレッシオ・ヴァネッティ(Alessio Vannetti)=チーフ・ブランド・オフィサーが、4月にはフェンディ(FENDI)やトッズ(TOD'S)で要職を務めたマルコ・ジャコメッティ(Marco Giacometti)=チーフ・コマーシャル・オフィサーが加わった。

JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。