米百貨店J.C.ペニー(J.C. PENNEY)の経営破綻が秒読み段階に入った。5月14日もしくは15日にも、日本の民事再生法に当たる米連邦破産法第11条の適用を申請すると見られているが、13日18時(現地時間)の時点でまだDIP融資(倒産手続きに入っている企業に対するつなぎ融資)を確保できていないという。
J.C.ペニーはECの台頭などによって数年前から経営難に陥っており、2020年1月通期決算の売上高は前期比8.1%減の100億1600万ドル(約1兆616億円)、純損失は前期の2億5500万ドル(約270億円)から2億6800万ドル(約284億円)へとさらに拡大している。
こうした中で新型コロナウイルスの世界的なパンデミックが発生し、休業を余儀なくされたことが追い打ちをかけた。同社は銀行ローンや社債などを含めておよそ50億ドル(約5300億円)の債務を抱えているが、4月15日が期限の利息を支払えなかったことから、破綻の憶測が広まっていた。
同社は米国とプエルトリコでおよそ850の店舗を運営しているが、新型コロナウイルスの影響でその全店を一時休業していた。それに伴い、本社も含めて9万人ほどいる従業員の大半を一時解雇している。なお、アメリカでは5月8日前後から半数近くの州で外出制限措置が緩和されていることから、J.C.ペニーも一部の店舗で営業を再開した。
また同百貨店に出店している化粧品セレクトショップのセフォラ(SEPHORA)は、J.C.ペニーが破綻する可能性があることを受けて、「以前から協議していた提携解消の一環として」契約満期を待たずにJ.C.ペニーから撤退する旨を通知したことから訴訟問題となっていたが、5月7日に和解している。
新型コロナウイルスの影響で米国の経済環境は急激に悪化しており、5月4日にはJ.クルー グループ(J.CREW GROUP)が、同7日には米百貨店ニーマン・マーカス(NEIMAN MARCUS)やバーグドルフ・グッドマン(BERGDORF GOODMAN)を運営するニーマン マーカス グループ(NEIMAN MARCUS GROUP)が破綻している。