新型コロナウイルス感染拡大の影響で、世界中で不透明な状況が続いている。そんなときに、ファッションは何ができるのか。生産者から販売員まで業界全体が不安を抱えている状況に、ファッションデザイナーたちは何を思うのか。日々変化する状況に対応しながら、それでもファッションの力を信じ続けるデザイナーたちの声を連載で紹介する。今回は2007年に「レキサミ(REKISAMI)」、14年に「チカ キサダ(CHIKA KISADA)」を立ち上げてクリエイションを続ける幾左田千佳デザイナーが、既存のファッションサイクルに疑問を投げかける。
CHIKA KISADA
幾左田千佳デザイナー
Q.今、デザイナーができることは?
A. 気軽に外出し、装うことができなくなり、ファッションを楽しむことが精神の豊かさに直結していたことをあらためて実感した。今のファッション業界はクリエイションの発表サイクルがとても短かい。インプットとアウトプットのバランスが悪いことにずっと違和感を覚えていた。自由に動けない今こそ発表サイクルを見直し、アウトプットの質を上げていきたい。次のコレクションはパリと東京で9月に発表を予定しているので、その方法も含めてセールスとコミュニケーションを取っていく。