高級ブランドのECサイト「ファーフェッチ(FARFETCH)」を運営するファーフェッチの2020年1〜3月期は、商品取扱高(GMV)が前年同期比45.6%増の6億1087万ドル(約647億円)、売上高が同90.4%増の3億3143万ドル(約351億円)、調整後EBITDAが792万ドル(8億3900万円)改善の2231万ドル(約23億円)の赤字、純損失が同149万ドル(約1億5700万円)悪化の7917万ドル(約83億円)の赤字だった。新型コロナウイルスで全世界的にリアル店舗が閉鎖する中でも、同社は力強い伸びを示した。ジョゼ・ネヴェス(Jose Neves)創業者兼CEOは「この数週間の出来事は、コロナ前の”ノーマル”だった状態には戻れないことを示している。ラグジュアリー業界も否応なく変革を迫られており、ファーフェッチはそうした変革後の未来により強固なポジションを築くだろう」とコメントした。
ECサイト「ファーフェッチ」単体のGMVは19.3%増の4億9489万ドル(約524億円)と伸びは従来に比べやや鈍化し、粗利率(GMV対比)は4.6ポイント悪化の52.5%だった。アクティブ会員数は同450万人増の2149万人と大幅に増加する一方、出荷単価(AOV)は前年同期の601ドル(約6万3706円)から571ドル(約6万526円)に低下した。
昨年8月に買収した「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」などを傘下に持つニューガーズグループ(NEW GUARDS GROUP)を軸にしたブランド事業は、売上高が1億745万ドル(約113億円)、粗利率は48.8%だった。
同社は21年12月期で調整後EBITDAの黒字化を掲げているが、現時点ではその計画を維持する方針だ。