中小事業者向けECサポート事業などを展開するHamee(神奈川県小田原市、樋口敦士社長)はこのほど、滞留在庫のECプラットフォーム「ルカモ(RUKAMO)」をスタートした。ローンチ時点(3月24日)では、参加企業は中小のアパレルやファッション雑貨のメーカー、小売、卸売が中心で、出品総点数は日用品を軸に1万点以上。取引先には、ECにおける受発注や在庫管理を自動化するツールを提供し、データ分析基盤の弱い中小企業の在庫最適化もサポートする。
「ルカモ」は“エシカルEC”と銘打ち、価格や環境への意識が高い主婦などが主なターゲット。取引先は年商1億円前後の中小が中心で、商品は数百円~数千円程度と値ごろなものが多い。アパレルでは下着やTシャツ、パーカ、ワンピースなどノーブランド品の中~軽衣料が中心。ブランド品に関してはタグはカットしていない。リピート購入を促すため、正価から値引きをせず、販売価格の50%を購入客に還元する仕組みを導入している。
余剰品を抑えるための、取引先の合理的な在庫管理もサポートする。取引先には、正規販売ルートでは「アマゾン(AMAZON)」や「楽天市場」「ヤフー!ショッピング」など複数のEC市場に出品している企業も多い。だが投資資金などの問題によりデータに基づいた在庫管理が難しいことから、同社は、ECモールの受発注や在庫分配、販売ページへの登録などを自動化・可視化するシステム「ネクストエンジン」も提供している。
「ネクストエンジン」の導入企業は、年商1億円規模を中心に約4000社(4月末時点)。同社によると、「ネクストエンジンで管理している在庫のうち約10%が滞留している」(鈴木純也「ルカモ」事業責任者)という。「(滞留在庫を)企業努力で何とかするには限界があり、中小企業は外部の手助けも必要。ゆくゆくは取引先のモノ作りの面にも絡み、需要予測に基づいた商品企画を提案するなど、滞留在庫の“予防”もビジネスにしていきたい」。