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ワコールHD、20年3月期は増税とコロナで減収 海外事業にも打撃

 ワコールホールディングス(HD)の2020年3月期連結決算(米国会計基準)は、売上高が前期比3.8%減の1867億円、営業利益が同35.9%増の66億円、純利益が同約10倍の4億円だった。前期では子会社のピーチ・ジョンとその子会社に関する商標権およびのれんの減損損失56億円とグループが所有すする有価証券の投資評価損55億円の計上により利益を大きく落としていたため、反動で大幅増益になった。

  国内ワコール事業は、売上高が同3.3%減の1097億円、営業利益が同8.6%減の57億円だった。量販店中心の「ウイング(WING)」はノンワイヤーブラの“シンクロブラ”の販促などが奏功したが、「ワコール(WACOAL)」は“ナイトアップブラ”など一部商材が好調だったが、増税後の需要が主要販路の百貨店などで停滞したため減収となった。営業利益の減少は、3Dボディースキャナーや接客AI導入をはじめとするオムニチャネル戦略に関わるIT関連費用の増加および、新型コロナウイルス感染拡大の影響における卸売事業の売り上げ減少が大きな要因だ減収が響いた。

 海外ワコール事業は売上高が同4.8%減での505億円、営業利益は同67.4%減の14914億円だった。売上高は円高の影響に加え、タイの材料会社の売り上げ不振をはじめ、2019年に子会社化した米インナーウエア「ライブリー」を手掛ける米インティメイツ・オンライン(INTIMATES ONLINE以下、IO)の営業損失の取り込みや買収に関する費用により減収減益となった大幅な減益になった。

 ピーチ・ジョン事業は、売上高は前期並みの104億円、営業損益は35億3億5100万円の赤字(前期は58億円の赤字)だった。国内では19年秋から事業効率化の目的でカタログの休止をした影響で通販事業は減収となったが、不採算店を閉店し黒字化した。一方で、香港の民主化デモに続く新型コロナウイルス感染の影響による中国事業の営業損失に加え商標権の現存減損損失(1.9億円)を計上したため、赤字だった。

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