日本橋高島屋S.C.は18日、全館営業を再開した。都心の百貨店の営業再開は、4月7日の緊急事態宣言以降初めて。これまでも営業してきた地下1階食料品売り場に加え、本館と新館の地上階がフルオープンした。ただし、本館2階特選フロアおよび時計、呉服・宝飾・美術、化粧品および一部の売り場は再開を見合わせる。また当面の間、午前10時半~午後6時に営業時間を短縮する。
小雨が降った再開当日は地下鉄直結入り口に100人近い列ができ、それぞれ間隔を空けて開店を待った。開店時刻(10時半)になると、感染防止の観点から従業員は「いらっしゃいませ」の発声もなく、無言で頭を下げて客を出迎えた。
店内では、再開を待ちわびた客が買い物を楽しむ姿が見られた。東京都の70代女性は、「知人への贈り物を何とか今日買えて間に合いそう。高島屋なら間違いない」とほっとした様子だった。40代の女性も「何か目的があって来たわけではないが、気分が沈みがちな中で買い物できると刺激になる」と話した。
百貨店側の感染防止対策として、レジや相談カウンターには飛沫防止シートを設置し、金銭の受け渡しはトレーで行うようにした。密閉空間となるエレベーターでは、添乗する従業員はフェイスシールドを装着。近隣のビジネスマンによる利用を想定し、6階紳士服フロアなどで平日夕方以降の入場規制も検討する。バックヤードでの過密を防ぐため、従業員の着替えには売り場試着室の利用も推奨する。
飯塚武志高島屋日本橋店長は「すでに再開している玉川店などでは、特に週末にかけて多くのご利用があった。当店でも混雑時は入場規制などの措置により感染防止対策を図っていく」と話した。
高島屋は同日、そのほかに高島屋大阪店、高島屋横浜店、タカシマヤタイムズスクエア(東京都渋谷区)、高島屋堺店(大阪府)、高島屋泉北店(同)、高島屋港南台店(神奈川県)、高島屋大宮店(埼玉県)を再開する。