東洋紡の2020年3月期連結決算は、売上高が前期比0.9%増の3396億円、営業利益が同4.9%増の227億円だった。そのうち東洋紡STCが手掛ける繊維部門の売上高は同1.7%減の280億円、高機能材部門と合わせた営業利益は同3.2%増の16億9800万円だった。
繊維部門の事業の4本柱のうち、スポーツアパレルで製品事業の一部を関係子会社へ移管したことと、国内SPA企業向けインナーの数量減、また新型コロナウイルスの影響による中国のサプライチェーンの混乱などにより減収となった。一方、ユニホーム事業は企業向け別注品の販売が好調に推移して増収増益となり、中東湾岸諸国の男性民族衣装用の生地「トーブ」が市況の回復により販売数量を増やして増収増益となった。中東湾岸地域で販売されている「トーブ」の約50%は日本製が占めており、その中の高級ゾーンの約70%が東洋紡の商品だという。
なお、21年3月期の業績予想は、新型コロナの影響で未定としている。