ファッション
連載 今、デザイナーができること

連載「今、デザイナーができること」Vol.20 ナカ アキラ「社会が求める価値を見極めること」

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、世界中で不透明な状況が続いている。そんなときに、ファッションは何ができるのか。生産者から販売員まで業界全体が不安を抱えている状況に、ファッションデザイナーたちは何を思うのか。日々変化する状況に対応しながら、それでもファッションの力を信じ続けるデザイナーたちの声を連載で紹介する。今回は、冷静かつ鋭い視点のビジネス感をもつ「アキラナカ(AKIRANAKA)」のナカ アキラ=デザイナーがコロナ収束後の価値観の変化を予測する。

AKIRA NAKA

ナカ アキラ=デザイナー

Q.今、デザイナーができることは?

A.今は、ウィズコロナ時代に価値を提供するためにさまざまなことを考えて学ぶこと。新しい市場での価値や、それを生み出すためのチームの再考や備えについてなど考えることは山ほどある。生産者と協力して連携を強めることも重要だがもちろん生き延びてこそなので、ブランド存続のために今この市場で何を売ろうという考えよりも、長いスパンで顧客と社会が求められている価値を見極めることが大事だと思う。ただこれは、コロナ危機の収束に要する期間も大きく影響されることではある。奇跡的に数カ月で収束すれば、人の価値観にさほど大きな影響は出ないだろう。しかし半年や1年を要するならば、マーケットも人も価値観が激変する。さらに数年単位で続くなら、洋服の立ち位置すら変わる可能性がある。ルームウエアの多様性や、アバターのような仮想空間においての装いまでファッションデザイナーは考えなくてはいけないかもしれない。ただ人の装いをデザインすることは、どんな社会が訪れても非常に重要なものだ。ブランドとしてそれぞれの社会を見つめてクリエイションし、その価値を還元していくことに変わりはないと思っている。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。