2017年にバハマで開催されたが失敗に終わった音楽フェス「ファイア・フェスティバル(Fyre Festival)」の運営会社ファイア・フェスティバル社の破産管財人グレゴリー・メッサー(Gregory Messer)が、同イベントのプロモーションに関わったケンダル・ジェンナー(Kendall Jenner)を相手取りギャラの返還を求めて連邦破産事件裁判所に提訴した件について、ケンダルは9万ドル(約960万円)を支払うことで和解した。
訴訟書面によると、ケンダルは同イベントに関するプロモーションをインスタグラムに投稿することで27万5000ドル(約2900万円)を受け取っていた。投稿の中で、義理の兄であるカニエ・ウェスト(Kanye West)がイベントに登場すると明らかにしている。
「ファイア・フェスティバル」とは、ビリー・マクファーランド(Billy McFarland)とラッパーのジャ・ルール(Ja Rule)が主催した音楽フェスで、17年4月にバハマで2週間にわたって開催される予定だった。セレブを多数呼び、高級な宿泊施設や豪華な食事を売り物にしていた同イベントの参加費は最低でも1194ドル(約12万円)、VIP客や出演者と同じ島に滞在する権利が含まれるパッケージは一人あたり5万ドル(約535万円)に設定されていた。
しかし、その実情は高級とはかけ離れたもので、宿泊場所は災害用の簡易テントが使用され、食事も豪華とは程遠い内容だったという。また、発表されていた出演者も実際には参加しないことなどが明らかとなり初日で中止となった。同イベントの一連の騒動は、フールー(Hulu)やネットフリックス(Netflix)でドキュメンタリー番組が制作されるほどの炎上事件となった。
主催者のマクファーランドはイベントのために2600万ドル(約27億円)を集め、その大半が、実際には出演しなかったアーティストやケンダルらインフルエンサーのギャラとして使用されたという。マクファーランドは18年3月に通信詐欺罪で有罪判決が下り、2600万ドルの返金を命じられている。
管財人のメッサーは、モデルのエミリー・ラタコウスキー(Emily Ratajkowski)や、ラッパーのプシャ・T(Pusha T)やリル・ヨッティ(Lil Yachty)、ミュージシャンのミーゴス(Migos)らイベントに関わったセレブに対してもケンダルと同様の訴訟を提起している。