デサントの2020年3月期連結業績は、純損益が24億円の赤字(前期は39億円の黒字)だった。大黒柱である韓国事業(12月期決算)が、昨年夏以降の日本製品の不買運動で打撃を受けて大幅な落ち込みとなった。日本事業も暖冬と新型コロナウイルスによる消費減退の影響を受けた。最終赤字への転落は18年ぶり。
売上高は前期比12.6%の減の1245億円、営業利益が95.2%減の3億7900万円だった。韓国事業の売上高が約2割減の579億円に目減りしたことが痛手になった。日本事業の売上高は4.5%減の541億円。現地スポーツメーカーのアンタ(ANTA)との合弁事業のため決算には直接反映されない中国事業(12月期決算)の売上高は27.7%増の267億円になった。またランニングシューズを展開する英子会社イノヴェイトグループの株式譲渡と、スキーウエアを販売する北米子会社の清算によって特別損失18億円を計上している。
今期(21年3月期)、韓国では運営する969店舗のうち30店舗前後を閉店する。オンライン会見に登壇した小関秀一社長は「不買運動はまだ一部には残るが、客足はだいぶ戻ってきている。6月以降、コロナが収束すれば、落ち込みは払拭できるだろう」と話した。