イタリア・ミラノを拠点に活動するファッションデザイナ-のニール・バレット(Niel Barrett)はイギリス・デボンのテーラー一家出身だ。彼は、ロンドンのセント・マーチン美術大学(CENTRAL SAINT MARTINS)と王立美術大学(RCA)でメンズファッションを学んだ。「グッチ(GUCCI)」や「プラダ(PRADA)」で活躍後、1999年に自身のブランドを立ち上げ、ミラノ・ファッション・ウイークでデビュー。メンズ、ウイメンズ、キッズなどのラインを手掛けている。バレットに新型コロナウイルス感染拡大によるミラノのロックダウン=巣ごもり生活について聞いた。
WWD:どのように仕事とプライベートを分けているのか
ニール・バレット(以下、バレット):私をはじめ全てのスタッフが在宅勤務だ。新型コロナウイルス感染がさらに続くのであれば、今後もいままで通り在宅勤務を行うことになるだろう。実際、私の日課全体が変わった。通常は、スタジオに行く前にトレーナーが来て午前7時30分にトレーニングをしていたが、今は、ベーシックメニューをもとにしたややハードなワークアウトを自主的に行っている。また、在宅勤務のためデザインチームとグループ会話を行い、その日に私が何をしたいのかを彼らに指示する。以前と比べて倍の、時には倍以上の時間がかかる。しかし、より詳細に考慮した結果そうなるので、ポジティブに向き合っている。午後6時半か7時には仕事を切り上げてオンラインで友人たちとアペリティーボ(食前酒)をするんだ。今までは、夜遅くまで仕事をしていたが、このような状況で自分が前向きに人間らしくいれること、そして、このような時間があることに感謝している。
WWD:このような状況でどのように仕事に向き合っているか?
バレット:幸運なことに、自宅は19世紀に建てられた古い建物で、テラスがあるので外でも仕事ができる。朝は自宅オフィスから外に出て、夕方には家の中に。屋外での創作はとても楽しい。
WWD: 新しく始めたことや趣味は?
バレット:ムービーナイトを始めた。私のインスタグラムでハッシュタグ“#MovieNight”をつけて発信している。俳優やインテリアデザイナー、建築家など、世界中の多くの友人からすすめてもらった素晴らしい映画を鑑賞して楽しい時間を過ごしている。私のもとには続々と映画リストが届いている。
WWD:在宅勤務で家族との過ごし方がどのように変わったか?
バレット:巣ごもり生活はパートナーのカルロと過ごしている。長い間、仕事もプライベートも一緒にいるので、いつもと変わらない。特に変化がない巣ごもり生活といったところだ。
WWD:巣ごもり生活で心がけていることは?
バレット:私たちが置かれている状況を受け入れてそれを最大限に活用する。人生の日々を信じることが大切。壁にぶつかって、ただ立ち止まって不満を言うだけでなく、壁を回避する方法を見つける必要がある。人生には試練と苦難がつきものだ。それを乗り越えるには、前向きな心と笑顔が必要だと思う。
WWD:おすすめのツールやアプリ、サービスは?
バレット:「フェイスタイム(Face Time)」や「ワッツアップ(WhatsApp)」「Zoom」そして「ハウスパーティー(Houseparty)」。どれも文字のやりとりだけでなく、リアルタイムでお互いの顔を見ながら会話ができるので素晴らしい。