新型コロナウイルス感染拡大の影響で、世界中で不透明な状況が続いている。そんなときに、ファッションは何ができるのか。生産者から販売員まで業界全体が不安を抱えている状況に、ファッションデザイナーたちは何を思うのか。日々変化する状況に対応しながら、それでもファッションの力を信じ続けるデザイナーたちの声を連載で紹介する。今回は、自身が立ち上げたファッションスクール「me」の学長を務めるなど、ファッション教育にも携わる「ミキオサカベ(MIKIO SAKABE)」の坂部三樹郎デザイナーが登場。
MIKIO SAKABE
坂部三樹郎
Q. 不安が続く状況下で、ファッションデザイナーが人々にできることは?
2020-21年秋冬の展示会は新型コロナウイルスによる自粛と重なったため、受注会をECに切り替えた。受注会後は外に出る業務は少ないため、在宅などでも支障はない。
このコロナ禍で多くの人がネットに集まり、デジタルの環境が整ってきている。これからブランドはECやSNSを駆使して、自ら発信することが重要になっていくと思う。「ミキオサカベ」ではECを本格的に強化し、インスタグラムを活用してアジアや世界に向けて情報を発信。今後、若手や店舗を持たない小さいデザイナーズブランドはECを起点に方向転換することで、新時代に順応していくことができるだろう。
コロナの影響が続くのであれば、ファッション・ウイークはなくなるのかもしれない。グローバル化が進めばシーズンの捉え方も代わり、求められるものもますます地域ごとに細分化されていくと思う。