バッグ&ラゲージメーカーのエースは2020-21年秋冬に、新型コロナウィルス感染拡大の影響によって変化するマーケットを考慮した商品を打ち出す。
同社のECでは4月上旬、緊急事態宣言により推進されたテレワークの実施に伴い、ノートPCを収納できるビジネスリュックがよく動いた。これまで会社から自宅へパソコンを持ち運ぶことのなかった職業の人たちからのビジネスバッグの需要が集中し、EC売り上げは前年比を超えたという。
秋冬のビジネスバッグでは、今後も新型コロナウイルスの感染防止対策のため、在宅勤務や時差通勤、出社減の傾向が続くことを見越し、“PC機器の持ち歩き”“スマート通勤”“自転車・徒歩通勤”のキーワードに合わせて商品を提案する。スリムな構造により電車内で前持ちがしやすい設計のビジネスリュック“カジェタブル”の種類拡充をはじめ、自転車や徒歩通勤に便利な斜め掛けストラップ付きのブリーフケースやトートバッグ、タブレット端末が収納できるコンパクトなビジネスバッグなどの新作をそろえる。
ラゲージ商品に関してはコロナの影響で国内外の旅行者が減少し苦戦を強いられているが、事態収束後に観光庁から打ち出される予定の観光需要喚起策や、官民一体型の「GO TOキャンペーン」によって国内旅行の需要が回復することが見込まれている。そこで、ラゲージブランドの「プロテカ(PROTECA)」では国内の小旅行向けの商品に焦点を当てる。
新作の超小型スーツケースは、300円のコインロッカーに収納できるサイズで、LCCや100席未満の小型プロペラ機などの機内持ち込みに対応。夏休みの短縮が見込まれる中、週末の1〜2泊の小旅行や買い物などさまざまなシーンでの使用を想定する。「プロテカ」の人気モデルで、360度のあらゆる角度から荷物の取り出しができる “360T”と、軽量性と耐久性に優れた“スタリアV”の2シリーズから2型をそろえる。価格は4万8000〜5万7000円。
また、エースは20年春夏に抗ウイルス性能を持つキャスター“バーテクトキャスター(VIRTECT CASTER)”を自社で開発し限定発売した。今後も“バーテクトキャスター”の採用を同社の基準としていくほか、将来的にはハンドルなどにも抗ウイルス性能を取り入れていく考えだという。
同社は現在、3週間以上をかけて2020年秋冬展示会を開催中。3密を防ぐために1社ごとのアポイントメント制にして新作を紹介している。