ビジネス

これからはバザールでござーる エディターズレターバックナンバー

※この記事は2019年12月2日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

これからはバザールでござーる

 いきなりフザけたタイトルで皆様に突っ込まれそうですが、バザールが必要だと思うんです。本当に。バザールを増やせるか?そして、鮮度ある状態を維持できるか?そこにファッション&ビューティの未来、そして、デジタルがますます盛り上がる小売りの将来がかかっているとさえ思っています。︎

 最初にそう感じたのは、数年前でしょうか?東京はまだマシですが、地価が高騰しつつ結果大手が繁華街をドミナントするソウルや香港、ニューヨークでは、「もう、若手は店なんて持てないね、マジで」と強く強く感じたのがきっかけでした。そこでニューヨークなどで登場したのが、バザール。大きなスペースを区画に分け、そこを貸し借りしながら、借り手は物品を販売するマーケットです。区画は、ブティックやショップというよりポップアップの趣きですが、ゴチャゴチャ感はエキサイティング。費用を聞いたら、「これなら、若手も支払えそう」というレベルでした。

 そしてEC全盛の今、バザールはますます重要だと考えるようになりました。え?「ECがあるんだから、リアルは必要ないだろう?」ですって?ノンノン。ECを盛り上げるためのリアルです。ことECでスタートしたD2Cにはファッションでもビューティでも、ECで知り、リアルで体験、もう一回ECに戻って購入という「体験のレベルアップ」が重要と考えます。そこで便利なのが、やっぱりバザール。主たる販路はECなので、リアルに大きな投資は必要ない。だとしたら、バザールがベストだと思うんです。

 バザールにはバックヤードがないけれど、ECで買ってもらえるなら、店頭に在庫を積む必要はありません。パソコンをいじりながら店頭に立てば、リアルなフィードバックも得られるでしょう。PCやSPでは伝えきれなかった思いなんかも伝えられますね。

 デジタルが主戦場のD2Cブランドばかりのバザール。皆が集うけれど決済から先は全てがEC上で行われるバザール。そんなバザールが実現したら、それはそれで面白いのではないか?なんて思うんです。

FROM OUR INDUSTRY:ファッションとビューティ、関連する業界の注目トピックスをお届けする総合・包括的ニュースレターを週3回配信するメールマガジン。「WWD JAPAN.com」が配信する1日平均30本程度の記事から、特にプロが読むべき、最新ニュースや示唆に富むコラムなどをご紹介します。

エディターズレターとは?
「WWDジャパン」と「WWDビューティ」の編集者から、パーソナルなメッセージをあなたのメールボックスにダイレクトにお届けするメールマガジン。ファッションやビューティのみならず、テクノロジーやビジネス、グローバル、ダイバーシティなど、みなさまの興味に合わせて、現在7種類のテーマをお選び頂けます。届いたメールには直接返信をすることもできます。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。