ファッション
連載 不易と流行のあいだ

菅付雅信連載「不易と流行のあいだ」vol.2 コロナの時代のファッション(後編)

有料会員限定記事

 ファッションという「今」にのみフォーカスする産業を歴史の文脈で捉え直す新連載。2回目はコロナ禍の非常事態の中でファッションの行方を考察する後編。(編集協力:片山マテウス、この記事はWWDジャパン2020年5月25日号からの抜粋です)

 前回、新型コロナウイルスを「グローバリゼーションの風邪」と例えたが、この風邪は、こじらせると死に至る病だ。そして風邪と同じく特効薬は存在しない。市販の風邪薬が一発で治る特効薬では全くなく、対処療法的に熱を下げたり、咳を鎮めたりするだけで風邪のウイルスを根絶するわけでは全くないように。

 整体家の野口晴哉は名著「風邪の効用」で、風邪をひくことは身体に必要なことだと説いている。野口は風邪の恐ろしさを知り、風邪が別の病につながる難しさを知るからこそ、風邪により身体をよく知り、正しく経過させることを目指すと考える。常識である仕事や用事のために早く治すという考えの方が風邪を侮り、本来の健康を損なう原因になっていると野口は唱える。

この続きを読むには…
残り1337⽂字, 画像3枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。