フランスオートクチュール・プレタポルテ連合会(Federation de la Haute Couture et de la Mode以下、サンディカ)は、7月6〜8日にオンラインで2020-21年秋冬オートクチュール・ファッション・ウイークを開催する。もともと7月5〜9日に予定されていた物理的なイベントに代わる取り組みで、参加ブランドは映像を中心としたデジタル・プラットフォームでコレクションを披露。7月9〜13日開催とすでに発表されている2021年春夏メンズ・コレクションのオンラインショーケースに先駆けて行われることになる。
サンディカによると、クチュールでもメンズと同様の専用プラットフォームを中心に構成する予定で、公式スケジュールに則り開催。また、映像以外のコンテンツを収められる編集セクションも設け、主要メディアのネットワークを幅広く活用するという。参加ブランドは未定。
ここ数年、オートクチュール・ファッション・ウイークは勢いを増している。昨シーズンは「ブシュラ ジャラール パリ(BOUCHRA JARRAR PARIS)」が公式スケジュールに復帰し、ジュリー・ドゥ・リブラン(Julie de Libran)前「ソニア リキエル(SONIA RYKIEL)」クリエイティブ・ディレクターも招待メンバーとして「ドレス・バイ・ジュリー・ドゥ・リブラン(DRESS BY JULIE DE LIBRAN)」のコレクションを発表。また、数多くのブランドがプレタポルテを発表する9〜10月と2〜3月のパリ・ファッション・ウイークに比べると余裕のあるスケジュールを生かし、オフスケジュールでプレタポルテを披露するブランドも増加している。
7月のクチュールには当初、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」が52年ぶりに復帰を果たすほか、「サカイ(SACAI)」の阿部千登勢がゲストデザイナーとしてオートクチュールを手掛けるジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)の新プロジェクトのお披露目が予定されていた。しかし、どちらも21年1月への延期がすでに発表されている。また、「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ(GIORGIO ARMANI PRIVE)」もショーを来年1月に延期。ただ開催地はこれまでのパリではなく、同ブランドが本社を構えるミラノのパラッツォ・オルシーニ(Palazzo Orsini)になり、秋冬と春夏を織り交ぜたシーズンレスのコレクションを発表する予定だ。
JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員