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ハンドジェルが絶好調の「ヴァイタルマテリアル」 チャリティープロジェクトで利益を還元

 2014年にデビューし、国内外の有名セレクトショップやライフスタイルストアを中心に販路を広げてきたライフスタイルブランド「ヴァイタルマテリアル(VITAL MATERIAL)」。オーガニック・ナチュラル原料を使用し、製法にもこだわった同ブランドのアイテムの中でも、ハンドジェルは新型コロナウイルスの感染拡大前から人気だったが、緊急事態宣言が発令された4月7日後の約1カ月で例年の10倍以上を受注し、自社ECと「オンワード クローゼット」を合わせると数万本の販売実績となった。その利益を保育施設へのアルコールハンドジェル寄付につなげるなど、社会貢献活動にも注目が集まる。現状と今後の取り組みについて、同ブランドを展開するキングスロードの小林陽輔社長に聞いた。

WWD:ハンドジェルを寄付するに至った経緯は?

小林陽輔社長(以下、小林):新型コロナ感染症が拡大する中、社会を支える多くの機関や施設を少しでも応援したいと思い、「新型コロナウイルス感染予防プロジェクト(#CONNECTTOTHEFUTURE)」を始めました。弊社ブランドの中でも、予防対策として需要の高いサトウキビ由来のアルコールでできたハンドジェルと、口腔ケアに役立つ歯ブラシを使い、ゆかりのある22のブランドやアーティストとコラボレーションした商品を生産して販売しました。この企画で得た弊社ECサイトでの販売益の全額を使って、大容量サイズ(300mL)のアルコールハンドジェルを生産し寄付します。「ヴァイタルマテリアル」のハンドジェルはローズとレモンの心地よい香りが人気の理由の一つですが、寄付するハンドジェルはより多くの人・場所で使っていただくため、あえて無香料としています。プロジェクト第1弾となる4月26日から5月17日までの活動報告を近々HPで発表する段取りで、7月中旬には1500〜2000本を特定警戒都道府県の保育施設に寄付できる予定です。

WWD:今回、生産地を日本からイタリアに変更した理由は?

小林:ハンドジェルは「ヴァイタルマテリアル」デビュー時から支持されてきた商品で、これまでオーガニック・ナチュラル原料にこだわり、日本生産を貫いてきました。ただここにきて、アルコール原料に対して出荷規制が出されていて原料調達が難しくなり、日本生産が厳しくなったんです。そこで前職で取引のあった信頼できるイタリアのオーガニック認証工場にお願いすることとしました。6月末くらいから出荷されるイタリア生産の商品にはAIABオーガニック認証取得の表示が入ります。現在、イタリアと日本間の空輸は減便でかなりコスト高になっていますが、これからさらに必要とされるものなのにお客さまに届けられない状況は避けたいと思い決断しました。

WWD:新ブランドも発売されましたね?

小林:今年2月に天然由来成分100%のオーラルケアシリーズ「アンド ヴァイタルマテリアル(AND VITAL MATERIAL以下、アンド)」を発売しました。これは「ヴァイタルマテリアル」ブランド全体に共通するコンセプトですが、毎日使うからこそ持っているだけでテンションが上がるものにしたい、ファッション感度の高い人に使ってほしいと思い、原料だけでなくデザインにもこだわっています。「アンド」は旅をテーマに歯磨き粉、歯ブラシ、デンタルフロス、マウスウオッシュ、マウスフレッシュナーを展開しています。「ヴァイタルマテリアル」同様、卸先は国内外のセレクトショップやライフスタイルショップがメイン。厳選したナチュラル&オーガニック原料を使用するのはもちろん、貝由来のアパタイトによるホワイトニング効果が期待できるほか、歯ブラシは竹炭毛を使用しています。

WWD:今後の新たな展開は?

小林:7月に衣類ケアブランド「サブリ ヴァイタルマテリアル(SUBLI VITAL MATERIAL)」をスタートさせる予定です。アイテムは洗剤、柔軟剤、ルーム&ファブリックミストの3アイテムを3つの香りで展開します。一般発売に先行して、洗剤と柔軟剤(各60mL)が「エル・ジャポン」7月号とのセットで数量限定のスペシャルボックスとして販売されました。日本の軟水と海外に多い硬水の両方で使える処方にしており、旅先での使用だけでなく海外への輸出も視野に入れています。「ヴァイタルマテリアル」のハンドジェルは「ドレステリア(DRESSTERIOR)」や「アクアガール(AQUAGIRL)」などのファッションブランドとのコラボも決定しています。

WWD:チャリティー活動も継続していく?

小林:先にお話しした「新型コロナウイルス感染予防プロジェクト」は多くの方に賛同していただき、すでに人気ファッションブランドや男性誌とのコラボが決定して、6月以降第2弾、第3弾と行っていく予定です。緊急事態宣言が解除され、徐々に外出が増えると思いますが、それには除菌やオーラルケアなどの予防が重要であり、それを行うための製品は不可欠。現在、アルコールアレルギーの人にも使っていただけるハンドジェルや、マスクを洗う洗浄液、マスクの臭いを和らげるスプレーなどの新製品開発にも取り掛かっています。新しい生活様式の中で必要とされるものをしっかり届け、社会にも貢献していきたいと思います。
TEXT:YOSHIE KAWAHARA

問い合わせ先
「ヴァイタルマテリアル」
03-6205-5256