帝人子会社で繊維部門の中核子会社の帝人フロンティアと村田製作所は共同で、圧力で電気を生み出す特殊な素材圧電素材「ピエクレックス(PIECLEX)」を開発するため、同名の新会社を設立した。圧電素材は、人体の動きを電気化する非常にユニークな特徴を持ち、合弁会社の設立で、さまざまな特徴を持った素材の開発を加速する。第一弾として、電気エネルギーを抗菌性能を発揮する繊維を開発した。
新会社は村田製作所が51%、帝人フロンティアが49%が出資し、拠点も滋賀県にある村田製作所の事業所に置く。社長には村田製作所から玉倉大次氏が就任する。「ピエクレックス」は植物由来のプラスチック原料であるポリ乳酸(PLA)素材で、村田製作所は電子回路の開発で培ってきた高いシミュレーション技術を生かす。第一弾の抗菌繊維は、帝人フロンティアが中心になり、下着やマスク、おむつ、シューズの中敷きなどへの用途展開を進める。後加工ではないため、半永久的に効果が期待でき、肌に近い部分への使用もデキるという。
帝人フロンティアはスマートウエアの開発で、スポーツ計測のベンチャー企業スポーツセンシングとの合弁会社を設立しており、新素材の開発が加速すればスマートウエア分野の開発も後押しすると見られる。