コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)社の社員が「コム デ ギャルソン(以下、ギャルソン)」の古着3点を仕入れ警察署の許可なく転売したとして、古物営業法違反の疑いで書類送検されたと各種メディアが報じている。同社員はネットオークションなどで「ギャルソン」の古着を購入し、古着店やネットで転売したことで5万7000円の利益を得た容疑で書類送検された。
ネットオークションやフリマアプリなどを利用した物品の売買が一般消費者にも浸透している昨今において、自分が購入した物を他人に販売する「転売」という行為は一般的に行われている。それでは、書類送検されたギャルソン社員の「転売」行為はどこが問題だったのか。そのポイントは転売行為が「営業」に当たるかどうかだと小松隼也弁護士(三村小松山縣法律事務所)は言う。「『営業』に当たるかどうかは、継続的に繰り返し行われているかという点が問題になる。本件はこれが認められたため『古物営業である』と認定されたのだろう。古物業に対する規制は、古物の中に盗品が紛れ込むことを防止するための法律。営利目的で中古品を扱う場合は、警察署に古物商の許可を得る必要がある」。
反復継続性の有無だけでは依然として個人でネットオークションやフリマアプリを利用している消費者との区別がはっきりとしない。これについて小松弁護士は、「一度流通市場に乗った物を仕入れて、それを転売する行為が規制対象」だと話す。「ネットオークションやフリマアプリはあくまで『不要になった私物』の売却のみを行っているという前提なので、『仕入れ、転売という連続性』がなく、古物業の規制対象である『営業』になっていないものが大多数である」と説明する。