※この記事は2020年1月13日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
やっぱり服装は見られてる
海外出張に出ると、「ソレ、カワイイ洋服だね。どこの!?」と言われる機会が多いような気がします。無論ファッションショーの取材に赴いているので、周囲が業界人だからに他なりませんが、「海外の人は、良いと思ったものを『良いね』とちゃんと声に出してくれるんだなぁ」と実感します。︎
と同時に思うのは、「やっぱり、見てるんだな」というコトです。決して自慢するワケではないし、もちろんデメリットというかネガティブサイドもあるワケですが、僕は、海外のデザイナーや経営者、首脳陣に、比較的顔を覚えてもらっている方だと自負しています。最大の理由は、やっぱり服装です。コレクションピースをメインに、それらを個性的に着こなしたいと思っています。そして正直その結果が、今の認知につながっています。人を外見で判断するのは良くないコトですが、やっぱり大事です。「外見が良ければ、中身も知りたくなる」「迷ったら、外見が良い方を選ぶ」。そんな経験は、誰しも持っているのでしょう。
だからこそ、声を大にして叫びたいのです。「日本人よ、もうちょっと頑張ってみようよ!!」と。
ファッション・ウイーク中に「ザ・サラリーマン」な日本のバイヤーさんを見ると、複雑な気持ちになります。組織の中で生きる人ですから、突飛なカッコはできないのかもしれません(ちなみに、私も組織人なのですがねw)。でも、“やりよう”はあるハズ。胸にカラフルなチーフを挟んだり、鮮やかなストールを巻いたりくらいはできるでしょう?なのにハードスケジュールで寒いから、くすんだ色のコートにビジネスバッグ、同系色のスニーカーの方が多すぎる!!対照的に近隣の中国、韓国のバイヤーは、頑張っています。
もし僕が商品を卸す側で、似たようなブランドラインアップ、同程度の売上高、同じような条件という2つの店舗から1つを選ぶ立場だったとしたら……。最後は、バイヤーがオシャレな店を選びます。だって、洋服は楽しいもの。どうせなら、楽しいと思ってくれている方、そう思える方に委ねたいものです。
国内でも海外でも「素敵ですね」と言われたら、誰でも嬉しくなるでしょう?私たちは、そんな経験を体感して、その喜びをエンドユーザーにも味わってもらうのが仕事だと思うんです。それには、自分が「素敵ですね」と言われる存在にならなくちゃ!!曇天のミラノで、曇った服装で忙しそうな方を見ると、生意気は重々承知ですが、そんなコトを考えてしまうのです。
どうやら2020-21年は、ピカピカ、キラキラ、チカチカな洋服やシューズが増えそうです。どれか1つ、一緒にトライしてみませんか?
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