※この記事は2020年6月5日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
3年で意味が変わった言葉 その1
テレワークが普及した今はなおさら、社内でさえ、隣の島が何をしているのか分かりづらくなっています。「WWDJAPAN.com」編集部で、いろんなコトがメッチャ進行している雰囲気を察知したのでしょう。先日、ファッション週刊紙「WWDジャパン」編集長の向から、「今『.com』編集部が何をやっていて、何をやりたいのか教えて」というリクエストを賜り、社内の大勢に対してプレゼンをさせていただきました。振り返れば、その時のプレゼンは名言が多く(自画自賛w)、きっと皆さんの参考にもなるのでは?と考え、今日から3回に渡って、その言葉を紹介できればと思っています。今更ながら、自己紹介にもなるから「ちょうど良き」です。
プレゼンは、「WWDJAPAN.com」の編集長に就任した3年前からの回想で始めました。(もっと少ないと思っていたのですがw、)当時のサイトPVは月間900万を行ったり来たり。UUなんて100万足らずです。朝9時から22時まで「1時間に1本は記事を!!」と思っていましたが、油断すると途切れてしまうほど青息吐息な毎日でした。それが気付けば今は、月間PVは2500万を大きく超え、UUは440万(余談ですが、ウチはこの数字、誠実に算出しております)。私の目標も、「『WWDJAPAN.com』を軌道に乗せる」から「週刊紙の『WWDジャパン』と対等な存在にまで押し上げる」「『WWDJAPAN.com』の可能性を広げる(簡単に言えば動画などです)」、そして今は、「拡張する、ブランドとしての『WWDジャパン』のハブになる」と進化しています。アイデンティティーを発信する週刊紙、ユーザーの裾野を広げるSNS、その絆を強めるイベント&セミナーなど、さまざまな「WWDジャパン」(ここには、ビューティ週刊紙の「WWDビューティ」も含まれています)が存在する中、「WWDJAPAN.com」はいずれとも直接つながっています。ゆえに「WWDJAPAN.com」は、さまざまなユーザーが、いろんな「WWDジャパン」を行ったり来たりする時、必ず通過する“駅”のような存在になれば、と思っているのです。
と、「WWDJAPAN.com」に対する考えは目まぐるしく変化していますが、編集長に就任した時から、いや正直に言えばずっと前から、心掛ける3つのコアバリューは不変です。「デジタル・ファースト」と「ONE WWDジャパン」、そして「ゲームチェンジ」です。3回にわたって紹介したいと思うのは、この3つの言葉。奇しくも3年前は一元的な解釈でしたが、今はいずれも多元的に捉えています。
長くなりましたが、今日は「デジタル・ファースト」のお話です。今、どこも声高に叫んでいますよね。
3年前の私にとっての「デジタル・ファースト」は、とにかく、ニュースはウェブで先出し!!でした。ウェブはすぐにアップできるけれど、週刊紙は最長1週間待たなくちゃならないんだから、当然ですよね。記事の定期的アップに頭を悩ませていた当時の自分にとっての「デジタル・ファースト」は、量を担保するにおいても達成したい悲願でした。
それが、今の僕にとっての「デジタル・ファースト」は、「デジタルで、最初に実験してみよう」に変わっています。デジタルコンテンツの1つ1つは、良くも悪くも、小さな点。だから「間違ってもいいじゃん」「失敗しても大丈夫!!」というマインドで、「とにかく、デジタルでやってみよう!」という意味の「デジタル・ファースト」になっています。下のリンクで紹介する気鋭のデザイナー、イリス・ヴァン・ヘルペン(Iris Van Herpen)の気持ち、すっごく理解できます。で、成功したら、積み上げたり、磨いたりして紙面に。すると紙面は、もっともっと骨太で、コアなファンにとって欠かせない媒体へと進化を遂げるでしょう。
週明けは、「ONE WWDジャパン」について、お話したいと思います。
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