※この記事は2020年2月7日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
イヤな予感こそ先輩から教えたい
皆さんにも経験があると思うのですが、大きなトラブルにつながる案件って、事前になんとなく「コレって、大丈夫かなぁ?」と思っているモノです。僕も一緒。トラブる記事はだいたい書いている時、もしくは校正している時に“イヤな予感”を覚えつつも、世に送り出してしまっています。なので揉めた時は、「あ〜、やっぱりかぁ。あの時の自分、バカバカ!」と机に突っ伏してしまうのです(笑)。
そんな風に反省するタイミング、今も年に1、2回くらいはやって来ます。でも昔は、4、5回くらいあったかも(苦笑)。オトナになったモノです。「もし僕が相手だったら、コレは『なんだと‼︎』かなぁ?それとも『そうだよねぇ』かなぁ?」と想像する力が豊かになったおかげでしょうか?
コレについては、経験が大きな下支えとなりました。揉め事ってだいたい、相手のパーソナリティーはもちろん、業界の風土や社風、タイミング、さじ加減、商慣習の違いなど、“地雷”はさまざまだからです。そして、その全てを若いウチから想像するのは不可能。正直年長者が教えるべきは、一義にコレかもしれません。
トラブると、問題を起こした本人はもちろん、相手も、巻き込まれた人も“イヤな思い”をします。だからお互い口をつぐんじゃいますが、年長者だったらココでちゃんと、なぜトラブったのかを一緒に考えることが大事ですね。一番ダメなのは、上司や年長者が引き取ってしまうこと。コレやっちゃうと、トラブった本人は申し訳ないと思いながらも分からないまま収束しちゃうので次回以降萎縮するし、相手は当面火種となった本人を相手にしなくなっちゃう。結果若手は育たず、取引先はその存在を認めてくれない。年長者の負担は減りません。トラブったら、まずは双方を落ち着かせ、考えさせ、行動してもらい、ケツを拭く時は一緒に拭く。先輩には、その覚悟が必要ですね。私に、その覚悟はあるでしょうか?まだまだ精進しなければ、です。
新型コロナウィルス問題で危機管理能力が問われる中、「そういえば1年くらい前、炎上を含む危機管理能力を考える連載をやりたいと思っていたっけ」なんてことを思い出し、今回のお手紙のネタにしてみました。あの時は数社に相談したのですが、匿名性が問われるトピックスのせいか、僕の構想が実現しそうになく、なんとなく放置プレイしています。どこかに良きパートナーがいたら、皆さま是非ご教授ください。
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