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アディダスが黒人コミュニティーに20億円超を拠出 従業員の反発を受けて

 「アディダス」および「リーボック」を擁するアディダス社は、黒人従業員とそのコミュニティーに対する支援の欠如に対する従業員からの非難を受けて、黒人コミュニティーをサポートするプログラムに2000万ドル(約21億円)を拠出すると9日に発表した。アメリカで今後4年間にわたって実施するこの拠出のほかにも、5年間で黒人従業員を対象に50の大学向けの奨学金を設立し、より多くの黒人従業員を雇用していくという。この取り組みを通してアディダスは、アメリカ国内のすべてのポジションの30%を黒人とラテン系の人材にすることを目標にした。また北米の従業員の中での黒人およびラテン系の人々の代表権についても別の目標値を今後明らかにする予定だ。

 社内の大幅な変化を求めるアディダスの従業員によって結成された連合は、数日のうちに13人から100人以上に増加。従業員からの批判を受けてアディダスは5日、「人種差別問題にこれまで十分に取り組んでこなかった」ことを認め「さらに真剣に取り組む」と表明した。その時点で、従業員の人事グループであるプログレッシブ・ソールズや黒人のリーダーたちと協力して計画を立案していると述べていたが、ほかにも北米とグローバル本社にリーダーを配置し、人種差別と闘うグループに従業員が寄付する場合、会社が倍額を上乗せして寄付することも決めた。ザイオン・アームストロング(Zion Armstrong)北米アディダス社長とマット・オトゥール(Matt O’Toole)=リーボック社長の両者が黒人従業員と面談をした上で方向性を示したという。

 アディダス取締役会の声明の中でカスパー・ローステッド(Kasper Rorsted)最高経営責任者(CEO)は、5月末から始まったBLM運動について触れながら「人種差別を支える文化的・構造的な力に立ち向かうためには私たちに何ができるかを考えるようになった。一個人であると同時に組織の中の一員として自分自身を見直し、黒人やそのコミュニティーに不利な現状と沈黙を強いるシステムについて振り返る必要があった。包括性の大切さを考え、私たちは今まで以上にすべての従業員が安心して働けて、声を上げられると同時に、キャリアアップに平等なチャンスがある環境をつくらないといけない。企業として大きな変化を起こすべきで、今それを実行する」と述べた。

 スポーツとファッションのさまざまなブランドは、黒人コミュニティーをサポートするための取り組みを強化している。ライバルブランドである「ナイキ(NIKE)」は、今後4年間で全米の黒人コミュニティーを支援するために4000万ドル(約43億円)を投じる。さらに、伝説の元NBA選手のマイケル・ジョーダン(Michael Jordan)と彼とのブランド「ジョーダン ブランド(JORDAN BRAND)」は、人種差別の解消に取り組む組織に今後10年間で1億ドル(約109億円)を拠出する予定だ。

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