スノーピークは、関西学院大学(兵庫)との連携協定を締結した。神戸・三田キャンパスに「スノーピーク」のテントを備えた“キャンピングキャンパス”を整備し、学生の議論や地域住民、OB・OGとつながる拠点とする。またキャンプが人間に与える効果を化学的に検証する共同研究や環境問題改善のためのマイボトル開発などにも取り組む。スノーピークはこれまでも大学との交流はあったが、連携協定を結ぶのはこれが初めて。17日に行われた関係者向けのオンライン会見には、山井太スノーピーク代表取締役会長や関西学院大学の村田治学長らが登壇した。
同校はこれまでテントなどのスノーピーク製品を用いた特別エリアを試験的に運用しており、学生に好評だった。また今年2月には三田キャンパスの広場にテント約10張りを設置し、学生が主体となって取り組むキャンプミーティングを企画。学部が異なる学生も「テントや焚き火といった野遊びの要素により、活発な議論やレベルの高いプレゼンを行っていた」(村田学長)。これらの成果が決めてとなり、同校がスノーピークに依頼して協定締結に至った。
スノーピークのメリットも大きい。同校には感性工学を専門に研究する教授が在籍しており、「キャンプが人間に与えるリラックス効果や集中力向上などの効果を化学的に検証できれば、野遊びの価値はさらに高まる。研究機関としてもわれわれといい関係が築けると判断した」と山井会長は期待を込める。
加えて山井会長は、「われわれのコンセプトは自然と人、人と人をつなげること。野遊びを通して本音で語り合い、これまでにない発見や可能性を生む新たな学びの場として機能してほしい。それを全面的にサポートする」と語った。村田学長は、「人と人との関係において教育が生まれる。スノーピークと連携して自然豊かな三田キャンパスをさらに有効活用することで、本校の指針でもある“全人教育”を進める」と意気込む。
将来的には三田キャンパス以外にも“キャンピングキャンパス”を拡大する予定だ。