この先もテレワークを続けるか、それともコロナ以前の勤務体系に戻すのか。決断を迫られているマネージメントは多いだろう。もちろん業種、職種によりその答えに違いはあるが、この数ヵ月にテレワークが「できた」のであれば、感染拡大が落ち着いた後もテレワークをベースとした仕事の仕方を選択していく方が未来は明るいと思う。不確実で予測不可能な時代において、テレワークが象徴する柔軟な働き方は組織を強くし従業員の生活をよりよくすると思うからだ。「やろうと思えばできた」テレワークをコロナ後も組織のリーダーが選択するか否かは極端な話、その組織がこの先、成長するか後退するかを占うリトマス紙のようなものだと思う。(この記事はWWDジャパン2020年6月22日号からの抜粋です)
東京都によると、都内の従業員数30人以上の企業(回答数400社)のテレワーク導入率は3月が24.0%だったのに対して4月は62.7%と急増した。ファッション業界の状況もこれとほぼ同じで本号で弊紙が実施したアンケート調査によると回答があった1093人のうち、63%が緊急事態宣言中にはテレワークを行ったという。
注目は「新しい働き方に満足しているか」の問いに対して78%が「満足、やや満足」と答えている点だ。「素材を決める以外は実際に会って商談をしなくてもデザイナーの仕事は成り立つと分かった」(50代デザイナー)、「課題は特になく、感じたのは完全に働き方の転換期だということ。ここで変われない仕事はいずれなくなる」(30代新規事業開発)、「通勤時間がなくなったので睡眠時間が増え仕事への集中力が増した。子供の近くにいられて安心」(経営者)といった声が上がっている。政府の「働き方改革」は特に中小企業においては遅々として進まなかったが、新型コロナにより容赦なく放り込まれた新しい環境には多くの個人が順応しているようだ。
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