「ユニクロ(UNIQLO)」のグローバル旗艦店「ユニクロ トウキョウ」が6月19日、東京・銀座にオープンした。“ライフウエアのすべてをここに”をコンセプトにブランドの世界観を発信する同店舗では、1~4階のさまざまなエリアで新進気鋭のアーティストやデザイナー、スタイリストとコラボレーションし展示を行っている。参加しているクリエイターは、資生堂トップヘアメイクアーティストの原田忠やフラワークリエイターの篠崎恵美(エデンワークス)など計11人。4階のキッズ&ベビー売り場では、「スタジオ・ザ・ブル―・ボーイ(STUDIO THE BLUE BOY以下、ブルー・ボーイ)」のラグが展示されている。ラグは、曲線と直線が自由に組み合わされたシュールでポップなデザインで、ラグの概念を覆すインパクトがある。「ブル―・ボーイ」の正田啓介は以前、「WWD JAPAN.COM」などでアートディレクターやグラフィック・デザイナーとして活躍。現在は自身でラグやセラミックのクリエイションのほかさまざまなコラボを行っている。正田に「ユニクロ」とのコラボおよび、新作ラグについて話を聞いた。
WWD:「ユニクロ トウキョウ」とコラボした感想は?
正田啓介(以下、正田):5月初旬に連絡があった。多くの人が訪れる店舗に展示してもらい、作品を見てもらえることをとてもうれしく思う。昨年フランス・パリの小さなギャラリーの展示からはじまり、今年初めに東京で初の展覧会を行った。その次が「ユニクロ トウキョウ」と、展示のスケールがどんどん大きくなってきている。最初は、自己満足で作った小さなアートが、このような形でいろいろな人の目に触れることによって自分の意識も変わってきている。
WWD:「ユニクロ」から声がかかった理由は?
正田:SNSの影響だと思う。インスタグラムやツイッターで多くの反響があるので、それがきっかけだと思っている。
WWD:展示しているラグは?
正田:「ブルー・ボーイ」のアイコン的なウェーブのモチーフのラグを“エアリズム”のベッドリネンなどと展示している。新作を展示してもいいと思ったが、SNSで反響が大きかったラグに決定した。
WWD:新作のラグに関しては?
正田:以前のコレクションではニュージーランド産ウールを100%使用したが、新作ではウールとレーヨンを使用している。レーヨンを使用することで、光沢感が出るし、触感もシルクのようにスムーズになるから。また、タペストリーとしても楽しんでもらえる。
WWD:新作のラグのインスピレーション源は?
正田:今年1月に訪れた米ロサンゼルス(以下、LA)やサンフランシスコで出合った建築物。フランク・ロイド・ライト(Frank Lloyd Wright)が設計したマリン郡シビックセンターなどミッドセンチュリーの建築物に見られるアールデコの要素やウェーブがモチーフになっている。幸運なことにLAでは富豪のジェームズ・ゴールドスタイン(James Goldstein)の自宅を訪問することができた。LAの緑豊かな自然と彼の自宅に置かれた木製家具のコントラストに感動した。その家はロイドの門下生だったジョン・ラトナー(John Lautner)が設計したというから納得だ。
WWD:鮮やかな色使いはどこから?
正田:マイアミのサウスビーチにあるピンクやブルー、イエローなどのアールデコ建築が着想源だ。ジャンニ・ヴェルサーチェ(Gianni Versace)の元邸宅に使われていた3本のエメラルドグリーンのラインなどもイメージソースになっている。
WWD:最近では、お香なども製作しているが、今後の予定は?
正田:新型コロナウイルス感染拡大の影響で“おうち時間”が増えているので、お香立てやランチョンマット、玄関用マットなどを提案していく。また、トートバッグも製作する予定だ。これからも、いろいろなコラボレーションをしていくつもりだ。