ニトリホールディングスの2020年3〜5月の売上高は前年同期比3.9%増の1737億円になった。4・5月に最大で全体の約17%にあたる110店舗が営業時間短縮や臨時休業を強いられたものの、ネット通販や営業継続店舗の売り上げ増がカバーした。売上総利益率は同2.4ポイントアップの56.3%、営業利益は同22.3%増の372億円、経常利益は同21.6%増の373億円、純利益は同25.4%増の255億円と、大幅な増益になった。似鳥昭雄会長兼CEOは「危機下では”ディストネーションストア”であることが圧倒的な強みになる。それが来店につながり、新規顧客の掘り起こしにつながった」と語った。
休業店舗も含む既存店の売上高は3月が10.9%増、4月が4.0%減、5月が0.6%増、3〜5月累計で2.0%増。驚異的な数字になった背景を、白井俊之社長兼COOは「以前から推進してきたオムニチャネル戦略が功を奏し、リアル店舗と自社ECサイト相互の乗り入れが増加した」という。ネット通販は4割増の168億円で、過去最高の売上高になった。
6月23日に発表した6月の月次(5月21〜6月20日)の既存店売り上げも同47.4%増と、引き続き好調に推移しているものの、期初に発表していた21年2月期通期の、売上高6532億円(前期比1.7%増)、営業利益1122億円(同4.4%増)、経常利益1133億円(同3.4%増)、純利益757億円(11.6%増)の見通しは据え置いた。「今はある種の異常事態。上期全体の様子を見て考える」(似鳥会長)という。