ナイキ(NIKE)の2020年5月通期決算は、売上高が前期比4.3%減の374億300万ドル(約3兆9647億円)、純利益は同36.9%減の25億3000万ドル(約2681億円)だった。20年3〜5月期(第4四半期)で見ると、売上高は前年同期比38.0%減の63億1300万ドル(約6691億円)で、純損益は前年の9億8900万ドル(約1048億円)の黒字から、7億9000万ドル(約837億円)の赤字に転落した。
地域別での売上高は、北米が前期比8.9%減の144億8400万ドル(約1兆5353億円)、欧州・中東・アフリカが同4.7%減の93億4700万ドル(約9907億円)、中国(中国語圏)が同7.5%増の66億7900万ドル(約7079億円)、中国を除くアジア太平洋地域と中南米が同4.3%減の50億2800万ドル(約5329億円)だった。
新型コロナウイルスの世界的な流行によって、同社でも世界中にある店舗の多くが3月半ば頃から休業を余儀なくされたことが売り上げに大きく影響した。5月半ばにはそのうちの40%が、6月25日の時点ではおよそ90%が営業を再開しており、客足も週ごとに増加している。なお中国市場ではほぼ全ての店が営業を再開していて、成長率も現地通貨ベースで例年並みに戻りつつあるという。
また、多くの国でロックダウン(都市封鎖)が実施されていた20年3〜5月期におけるECの売上高は前年同期比75%増となり、売り上げ全体の30%を占めた。通期でも前期比47%増と好調だったが、実店舗の売り上げ減を補うには至らなかった。
ジョン・ジョセフ・ドナホー2世(John Joseph Donahoe II)社長兼最高経営責任者は、「ビジネス環境が急激に変化する中、『ナイキ』ブランドは引き続き世界中の消費者から強く求められており、全ての市場でECの売り上げが伸びている。今後もデジタル化などの事業機会に投資し、業界をけん引する企業として長期的に成長していきたい」と語った。