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ビューティがほぼ完全オンライン発表会なのは、なぜ⁉︎ エディターズレターバックナンバー

※この記事は2020年6月26日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

ビューティがほぼ完全オンライン発表会なのは、なぜ⁉︎

 先日、最近「WWDJAPAN.com」編集部に仲間入りした2年生から、「ビューティは全てオンラインなのに対して、ファッションはもう現地開催なんですね。。w(原文ママ)」というSlackが届きました。毎日、ファッション&ビューティのスケジュールを管理・運用しているからこその気づきです。

 そうなんです。ビューティは今、秋冬製品のオンライン発表会の真っ只中。対してファッションの秋冬コレクションの情報提供は、アポイントメント制による3密を避けたリアルな展示会か、プレスリリースの丸っと送信のいずれかがほとんどです。オンライン展示会を開いたのは、僕が知る限り「ギャップ」くらいだったでしょうか?ん~。多くは語りませんが、「やっぱビューティ、チャレンジしてるな」って思います。

 「WWDビューティ」スタッフに話を聞くと、課題の多いオンライン発表会もあるそうです。ただ体感する限り、完成度は日を追うごとにレベルアップ。小さなメーカーさえ、ちょっとしたムービーをインサートしながらのZoom発表会に挑戦しています。先日出席した「アディクション」のオンライン発表会は、YouTubeでライブを限定配信する仕様でしたが、「コレは、エンドユーザーに公開しても良いクオリティー。ブランドでここまでやれちゃうと、メディアは一体、何をすれば良いのだろう?」と考えさせられるレベルでした。MCによる淀みなき進行、冒頭(視聴者を掴むため、YouTubeでもっとも注力すべきパートです)に登場したクリエイティブディレクターKANAKOさんの事前収録動画、ブランドマネジャーによる解説は、リアルな製品発表会と遜色なし。アーティストによる実演はカメラが寄ってくれるからリアルより分かりやすいものでした。さすがアーティストは、5種類のテクスチャーのアイシャドウを全て使い、渾身のアイメイクを完成させます。その最中に同僚の福崎デスクと「アイメイクで5色塗るのね(笑)」なんてLINEをしていたら、今度は着任したばかりのPRがセルフで「2色でできる簡単アイメイク」を伝授してくれました(笑)。「このLINE、流出している?」と思ったくらい、視聴者の思いに答えるナイスな台本です。無論、限定公開とはいえブランドマネジャーやPRは“晒す・晒される”ことに慣れているワケではないかと思いますが、小姑のような気持ちになって見つけた“アラ”さえ気になりませんでした(笑)。例えばブランドマネジャーは「絶妙」という言葉を幾度となく繰り返していらっしゃいましたが、「そこまで言うって、本当に『絶妙』なんだろうな」と納得したほどです(笑)。

 視聴するこちら側も、福崎デスクとのLINEのように“ながら”参加ができて良かったです。私はランチを食べながら、時々メールを返しながら、でも「WWDジャパン」編集長の向からの突然のショートミーティングのお誘いは断るくらいは本気になって視聴しました(笑)。オススメは「スマホで見ながら、PCでは別の仕事をちょっとだけ」くらいかもしれません。オンライン発表会、良いな。「アディクション」の場合は事前に製品が届き、現物を確認しながら発表会に参加できます。コレができるのはビューティの特権でファッションは難しいかもしれませんが、トライしても良くないですか?

 ファッション側はなぜ、リアルなのでしょう?デジタルは慣れてないから?発表会で伝えたいモノが、画面より大きいから?見せたい商品が、山のようにあるから?実際のコミュニケーションを欲しているから?考えられるさまざまは、新しいモノに挑戦しない言い訳に思える時もあります。だって「アディクション」も、アイシャドウは99色ありますが、事前に送ってくれたり発表会中に見せてくれたりの色はせいぜい十数色です。色はいっぱいあるけれど「推し」はハッキリしているのかもしれません。だとしたら、それも潔いですよね。仮にファッションの世界が、いっぱいあるから「推し」がハッキリしていないのなら、それはそれで問題なようにも思えます。

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