モデルのローラはこのほど、サステナビリティを意識したライフスタイルブランド「ステュディオ アール スリーサーティー(STUDIO R330)」をスタートさせた。100%自己資金で運営する。第1弾はスポーツブラやTシャツ、ヨガマットなどのワークアウトウエアを発表。今後はカテゴリーを限定せずにさまざまなアイテムを提案する予定だ。今回あらためてローラにブランドに込めた思いや立ち上げまでの苦労をメールで聞いた。
WWD:ブランドスローガンである“essentials for a good life”に込めた思いとは?
ローラ:どんなに時が経っても良質でずっと長く使いたいと思えるもの、毎日のライフスタイルがわくわくするようなものをクリエイティブに、そして環境にやさしい形で作っていきたいという思いを込めました。
WWD:環境問題に関心を持ち始めたきっかけは?
ローラ:7~8年前にスーパーで買い物をしているときに、ふとオーガニックのものとそうでないものがあり疑問を抱きました。食品をきっかけに、少しずつ環境問題について勉強をするようになりました。
WWD:LAに拠点を移してから環境意識に変化はあった?
ローラ:LAと行き来するようになってから、環境のことや普段着ているお洋服のこと、食、運動することの大切さなど、日本にいたときよりも考えるようになりました。
WWD:素材選びで大変だったことは?
ローラ:素材選びは想像していたよりも大変でした。環境に配慮された素材はまだまだ少なくて、自分たちで一から作る必要がありました。それには1年以上かかりましたが、諦めない気持ちがあれば実現できるということを学んだので、また次のステップに進むのが楽しみです。
WWD:デザイン上でこだわったことは?
ローラ:シルエットは自分で着てみたりモデルさんに試してもらったりしながら、何回もやり直しました。もちろん機能性にもこだわり、こういう場面でこういう機能があったら便利だなと想像しながらデザインしました。グラフィック面の落とし込みでは、私も大ファンである写真家のハーブ・リッツ(Herb Ritts)の作品をフィーチャリングしたコレクションが実現することができうれしかったです。
WWD:環境意識を高めていくには、ファンとどのようなコミュニケーションが必要だと思う?
ローラ:自分もブランドもメディアの一つだと考え、分かりやすく、一つずつ順番に丁寧に伝えていくことを心掛けていきます。あとは、普段の生活の中で小さいことからでも変化を起こしていくことを呼びかけていきます。自分たちが犯してきた過ちが原因で、次世代の人たちが生活できなくなる可能性があることを受け止め、しっかりと危機感も持ちながら楽しく変えていこうと伝えていきたい。続けていかないとどんどん悲しい未来に近づいてしまうから。
WWD:プロジェクトごとに販路や生産背景はどのように選択していくのか。
ローラ:「ステュディオ アール スリーサーティー」はいろいろなライフスタイルアイテムを展開していきます。チームでプロジェクトごとに取り組んで内容を打ち合わせしてから、次に生産背景、アイテムによっては販路も替えていきます。これからの時代は柔軟に答えを見つけながら徐々にシフトチェンジしていくことが大切だと思います。
WWD:生産背景などはどこと組んでいる?バッカーは?
ローラ:今回のワークアウトウエアはサーキュラーエコノミーを促す取り組みで知られリサイクルポリエステルを提供する日本環境設計とタッグを組みました。また、次回のデニムプロジェクトは、世界で最もエシカルでサステナブルなデニムを生産するといわれ、最新のデニム製造の設備を備えたOEM会社のSAITEX INTERNATIONALとタッグを組みました。バッカーはいません。
WWD:販路はどのように広げていく?
ローラ:販路はECとポップアップストアのみで日本で先行販売します。いずれプロジェクトによっては卸事業も考えていきたいと思っています。また近々LAで環境が整い次第、グローバル展開も予定しています。
WWD:今後はどんなアイテムが登場する?
ローラ:サステナブルなデニムコレクションや、オーガニックコットンを使用した限定コレクション、コラボレーションアイテムも展開予定なので、楽しみにしていてください。