ファッション

ジーンズ「ジースター ロゥ」が米国で破産法適用申請 本国オランダや日本は継続

 米国でジーンズブランド「ジースター ロゥ(G-STAR RAW)」の小売りを行うジースター ロゥ リテイル(G-STAR RAW RETAIL INC.)は7月3日に日本の民事再生法に相当する米国連邦破産法第11章(以下、チャプター11)の適用を米カリフォルニア州の裁判所に申請した。

 裁判所に提出した初期資料には申請理由が明記されていなかったが、新型コロナウイルスや人権問題によるデモの影響によって店舗が長期の閉鎖を余儀なくされたことで大打撃を受け、乗り切ることができる資産状況ではなかったものと推察される。同社の2019年度の売上高は6800万ドル(約72億円)、純利益は200万ドル(約2億1400万円)だった。債権者一覧によると、ニューヨークのフィフスアベニュー475番地にある店舗の大家が最高額の42万6007ドル(約4558万円)の債権を有している。

 日本では本国オランダ100%子会社のジースター ジャパンおよびジースター リテイルジャパンが「ジースター ロゥ」を展開している。オランダや日本でのビジネスは継続する予定だという。

 なお、ロサンゼルス発のジーンズブランド「ラッキー ブランド(LUCKY BRAND)」も米ジースター ロゥ リテイルと同日にチャプター11の適用をデラウェア州の裁判所に申請した。「ノーティカ(NAUTICA)」などを傘下に置くオーセンティック・ブランズ・グループ(AUTHENTIC BRANDS GROUP)に資産を売却する方向で調整しており、その中にはラッキー ブランド社が保有する知的財産も含まれるという。

YU HIRAKAWA:幼少期を米国で過ごし、大学卒業後に日本の大手法律事務所に7年半勤務。2017年から「WWDジャパン」の編集記者としてパリ・ファッション・ウイークや国内外のCEO・デザイナーへの取材を担当。同紙におけるファッションローの分野を開拓し、法分野の執筆も行う。19年6月からはフリーランスとしてファッション関連記事の執筆と法律事務所のPRマネージャーを兼務する。「WWDジャパン」で連載「ファッションロー相談所」を担当中

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2025年春夏ウィメンズリアルトレンド特集 もっと軽やかに、華やかに【WWDJAPAN BEAUTY付録:2024年下半期ベストコスメ発表】

百貨店、ファッションビルブランド、セレクトショップの2025年春夏の打ち出しが出そろった。ここ数年はベーシック回帰の流れが強かった国内リアルクローズ市場は、海外ランウエイを席巻した「ボーホー×ロマンチック」なムードに呼応し、今季は一気に華やかさを取り戻しそうな気配です。ただ、例年ますます厳しさを増す夏の暑さの中で、商品企画やMDの見直しも急務となっています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。