米国でジーンズブランド「ジースター ロゥ(G-STAR RAW)」の小売りを行うジースター ロゥ リテイル(G-STAR RAW RETAIL INC.)は7月3日に日本の民事再生法に相当する米国連邦破産法第11章(以下、チャプター11)の適用を米カリフォルニア州の裁判所に申請した。
裁判所に提出した初期資料には申請理由が明記されていなかったが、新型コロナウイルスや人権問題によるデモの影響によって店舗が長期の閉鎖を余儀なくされたことで大打撃を受け、乗り切ることができる資産状況ではなかったものと推察される。同社の2019年度の売上高は6800万ドル(約72億円)、純利益は200万ドル(約2億1400万円)だった。債権者一覧によると、ニューヨークのフィフスアベニュー475番地にある店舗の大家が最高額の42万6007ドル(約4558万円)の債権を有している。
日本では本国オランダ100%子会社のジースター ジャパンおよびジースター リテイルジャパンが「ジースター ロゥ」を展開している。オランダや日本でのビジネスは継続する予定だという。
なお、ロサンゼルス発のジーンズブランド「ラッキー ブランド(LUCKY BRAND)」も米ジースター ロゥ リテイルと同日にチャプター11の適用をデラウェア州の裁判所に申請した。「ノーティカ(NAUTICA)」などを傘下に置くオーセンティック・ブランズ・グループ(AUTHENTIC BRANDS GROUP)に資産を売却する方向で調整しており、その中にはラッキー ブランド社が保有する知的財産も含まれるという。