マリア・グラツィア・キウリ(Maria Grazia Chiuri)による「ディオール(DIOR)」は、2020-21年秋冬オートクチュール・コレクションをイタリア人映画監督マッテオ・ガローネ(Matteo Garrone)によるフィルム形式で7月6日21時半(日本時間)に発表する。フィルムは「ディオール」の公式ウェブサイトのほか、フランスオートクチュール・プレタポルテ連合会(Federation de la Haute Couture et de la Mode)のウェブサイトで配信される。
ガローネ監督は19年公開の実写版映画「ピノキオ(Pinocchio)」やダーク・ファンタジー映画「五日物語-3つの王国と3人の女-(Il racconto dei racconti)」を手掛けたほか、映画「ゴモラ(Gomorra)」と「リアリティー(Reality)」で2度、「カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)」審査員特別グランプリを受賞している“イタリアの鬼才”と評される人物だ。
「ディオール」はコレクションの発表に先駆けてティーザー動画2種を公開した。1つめは、第2次世界大戦下のフランスで催された展覧会「テアトル・ドゥ・ラ・モード(Theatre de la Mode)」を紹介するもの。当時のアーティストとファッションデザイナーは協力して人形を制作し、それを展観する同展を世界に巡回させるという新たな手法で戦争という困難な時代においても、サヴォワフェールを紹介し、オートクチュールを存続させることができたという。
2つめの動画は「ディオール」のクチュリエたちが同コレクションの制作過程や困難だったことなどを説明したもの。クチュリエたちが「袖口がずっと小さい」「ミニチュアゆえ真の正確さが求められる」などと語っていることから、上記の展覧会に着想を得てミニチュアサイズのコレクションを制作し、それをガローネ監督が撮影・映像化したものを配信することが予想される。
ディオールはガローネ監督が「夢のような世界観のなかで、アトリエの匠の技によって具現化されたオートクチュールのクリエイションに生命を吹き込む」とコメントしている。
また「ディオール」はショー開始の直前にインスタグラム、フェイスブック、スナップチャットでARフィルターをリリースする予定だ。